2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:20〜29歳の男性
【 地 域 】:東海地方
【 具体的なご職業 】:鍼灸師、及び整体師
【 お問い合せ内容 】:
桂枝湯の解表作用について
この間は写真の掲載ありがとうございました。
あの世の彼女は喜んでると思いきや、「私を都合のいいダシにしたわね」と怒ってる気もします。
あの世に行ったら謝っておきます(苦笑)
あれから先生のメインのブログを最初から読んで勉強したお陰で自分の体がずいぶんとよくなりました。
内容は【六味丸、茵蔯蒿湯、柴胡加竜骨牡蠣湯(少量)、抑肝散、(頓服)半夏瀉心湯】です。
色々あった症状もほぼなくなり、気が付いたら4s近く体重も下がりすこぶる快調です。
昨夜も嫁の風邪でかなりの頭痛になり、血圧の上昇と脈拍の低下がおこり。救急病院を考えましたが、頭部の圧痛点が少陽に顕著で、背部兪穴の反応に肺と肝、隔が強く、脈が浮でしたので、小柴胡湯と参蘇飲をツボの反応等を見ながら少しずつ飲ませました。
これで無理なら病院だなと思いましたが、30分以内に脈も血圧も正常になり、今朝も娘の幼稚園バスの送りに普通に行けるようになりました。
(本当は鍼灸と手技でやればいいのですが、バタバタしている子供がいるとなかなか難しいです…)
ところで本題なのですが、肉桂の配合された桂枝湯には解表作用はないような気がいたします。
上の娘が衛気虚気味で風邪をひきやすく、適応するかと思いきや。衛営の調和は起こりますが、肝腎の邪気がまったく抜けていってくれませんでした。(※触診によるものです)
その反面、そもそも肺虚気味なので肺陰も弱く、かえって煮詰まってしまったようでした。(反応がよくないのですぐに辞めました!)
自分でも飲んでみましたが、葛根湯や麻黄湯のように麻黄との配合では反応する感じはいたしますが、肉桂の桂枝湯ではどうも効力を感じ得ません。
体質も関係するとは思いますが、以前から先生がおっしゃているように『肉桂と桂枝の錯誤』問題のせいで大事な解表作用がそもそもなくなってしまった。傷寒論の桂枝湯にあらざる全くの別物な気がいたします。
実際には桂枝の桂枝湯を飲んだことがないのでなんとも言えませんが…
なので先生のおっしゃる通り、外感病の初期には桂枝も麻黄も入ってない参蘇飲が無難であるのは間違いないなと思いました。感謝申し上げます。
2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
お返事メール:おたよりありがとうございます。
彼女に限って
>「私を都合のいいダシにしたわね」と怒ってる気もします
というのは絶対にあり得ないと思いますよ。
我が家のボクチンも、すでに亡くなって5年以上になりますが、薬局の店内はもちろん、台所をはじめ寝室やトイレの中にさえも、長い廊下の壁にもビッシリと写真を張り付けています。
台所のテーブルの上にも何枚も立てかけていますが、その写真を現在の家猫3匹が、かわるがわる1日に1度は、懐かしそうに写真を軽く舐めまわすことがあるので、日々不思議に思っているところです。
印刷のインクが体内に入っては困るので、やめるように説得するのですが、それこそいずれの猫も馬耳東風で、1日1度のそれぞれの儀式となっています。
ボクチンが折々にこの世に戻って来ているのだろうと、勝手に納得しています(笑。
そちらの彼女も、折々にこの世に戻ってきていると思いますが、時折にしても感じられるのではないでしょうか?
ところで本題の桂枝湯、ご指摘の通りで、本来、桂枝を使うべきところを、日本で製造されるエキス剤のいずれも、肉桂を使用しているのですから、本来の解表作用を発揮できずに、腎陽を温めてばかりの、へんてこりんな薬効となっていますので、(麻黄の配合される葛根湯や麻黄湯ならまだしも)、日本の桂枝湯エキス製剤となると、まったく使用にたえないかもしれません。
葛根湯証を呈する風寒束表には、麻黄があるおかげで、桂枝であるべきところを肉桂が使われていても、それほど大きな問題には感じられませんが、桂枝湯となれば、話が別ですね。
2012年03月01日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール:返信ありがとうございます。
>台所のテーブルの上にも何枚も立てかけていますが、その写真を現在の家猫3匹が、かわるがわる1日に1度は、懐かしそうに写真を軽く舐めまわすことがあるので、日々不思議に思っているところです。
なんと!写真に挨拶をするとは…
猫の感性はすごいの一言なので、何か感じているのでしょうね。
最近は仏壇に手を合わせない人が増えてるようなので、猫の方がはるかに優れていますね。
東海地方のAさんの愛猫
写真の子はかなりのオカン猫で、生前はよく怒ってくれてました。
いつまでたってもゲームを辞めないのでコントローラーの上に乗ってきてやめさせようとしたり、朝ちっとも起きないので、胸骨にかなりの肉球圧をかけてきて悶絶させたり、起きるまで皴枯れ声で鳴き続けたり。
あとは、気持ちが落ち込んでいると近くで寝て癒してくれるのはしょっちゅうでした。
今は自分の部屋に写真を飾ってあるのですが、時たま深夜まで起きてると
「早く寝なさい!」と振り向くと言われている気がするときもあります(苦笑)
> ところで本題の桂枝湯、ご指摘の通りで、本来、桂枝を使うべきところを、日本で製造されるエキス剤のいずれも、肉桂を使用しているのですから、本来の解表作用を発揮できずに、腎陽を温めてばかりの、へんてこりんな薬効となっていますので、(麻黄の配合される葛根湯や麻黄湯ならまだしも)、日本の桂枝湯エキス製剤となると、まったく使用にたえないかもしれません。
やはりそうなんですね。となると柴胡桂枝湯とかも現方の通りではなく少し違った使い方になってくるわけですね。
それでは今度桂枝入りの方剤を体験したときに、またご報告させていただきます。
2011年03月01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
折り返しヒゲジジイのメール:
柴胡桂枝湯の場合は、シンプルな配合の桂枝湯とは異なって、各種の雑病から風邪の後期の症状まで、肉桂の配合となっていても、十分に効果を発揮します。桂枝湯ほどは問題は大きくないのが現実のようです。
(追補:肉桂にしても桂枝にしても、エキス剤の場合、精油成分の揮発問題も大きいが、煎薬とて、下手な煎じ方を行っていれば、同様な問題も生じる。)
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2012年03月01日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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