2007年06月22日

茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)で冷え性が治る場合があるのはなぜか?

 夏でも手足が冷える人の蕁麻疹とアトピー性皮膚炎が同居して悩んでおられる女性に、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)によって短期間で蕁麻疹の消退とともに手足がぽかぽかと暖かくなった。
 昨日、御本人による報告である。(舌は淡紅で黄膩苔が顕著、しかも舌先は紅。)

 このような事例は決して珍しくはないが、弁証論治にもとづく適切な漢方処方であれば、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)のような湿熱を除去する、むしろ冷やす作用ばかりの方剤によっても、かなりひどい冷え性でも急速に治癒する場合がしばしば見られる。僅か20日の服用による速効である。
 脾胃虚寒や腎陽虚衰などによる冷え性ではなく、明らかに湿熱に伴う瘀血(血流の停滞)が原因であったから清熱利湿・活血行瘀の茵蔯蒿湯が適切な方剤だった訳である。

 大黄には優れた活血化瘀作用がある。

 また先日、例の体質改善三点セットで服用その日の内から手足が温まり始めたとの報告を得たが、これなどもまったく温める作用はないかわりに血行改善作用があるから、結果として上部にばかりに集中している温かい血流が、しっかり手足に流通するようになった結果に過ぎない。
 だからこそ警告:無謀な温め療法! というサイトの趣旨を片一方の耳にだけでも入れておいて損はないだろう。

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posted by ヒゲジジイ at 01:33| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする