2017年07月26日

いつまでも病院治療で治らない、食欲不振を伴った慢性下痢症でも、補剤は必要ないこともある

2010年7月26日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月26日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 入梅の1ヶ月前頃から、食欲不振に慢性下痢が続いて、やややつれ顔の初老の女性。病院治療では治らないのといえば、中医学の講習会で学んだレベルの人達は、往々にして参苓白朮散が出されて、日本漢方でしばしば使用される胃苓湯(平胃散+五苓散)を奨められることは滅多にない、というよりもこれらの方剤の知識がない人も見られる。

 さらには月経前症候群に対して、あきらかに加味逍遙散で済まされるべき証候(一連の症候)に対して、逍遥散+天王補心丹という手の込んだ製剤に消化剤的な健康食品などを組み合わせて出されていた例もある。まさか加味逍遙散のような普遍性のある方剤を知らぬはずもなかろうに、中医学を知らない専門家も困ったものだが、日本漢方を知らない専門家も困ったものである。

 閑話休題(「それはともかく」という意味)、本題に入ると、上記の女性は補剤を使わずとも、胃苓湯のエキス製剤のみで、一週間もしないうちに食欲も下痢も順調に回復しているが、年齢も年齢だから、念のため強いて諸検査を受けるように奨めて、病院から投与された効かない啓脾湯は服用せずに、そのままこちらの胃苓湯を続けながら、渋々諸検査を受けている。
 漢方薬で即効が出たからといっても、もしも重大な疾患が隠れていては、困るからである。

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2010年7月26日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月26日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母