2017年03月24日

アトピー性皮膚炎に対する猪苓湯の利用価値

2010年03月24日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年03月24日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 もともとアトピー性皮膚炎に対する数種類の方剤を組み合わせる上で、しばしば利用している猪苓湯ではあるが、乾燥肌で滲出液の漏出は皆無で、丸みのある凸状の、やや大きな発疹が見られないケースでは必要のないことが多い。

 そのように滲出液も見られず、丸みのある凸状の、やや大きな発疹が目立たず、顔面や首と両腕の関節部の乾燥性の熱性炎症を帯びたアトピーに、桂枝茯苓丸料加薏苡仁+六味丸+茵蔯蒿湯+(必要に応じて清熱剤)の各エキス製剤の組み合わせで治まっていた人。

 ところが春先になって、これまであまり見られなかった鼻の下に少量の滲出液と、首と顎まわりにアトピー特有の乾燥性の異変が再発し、これまで綺麗になっていた右腕の関節だけに、丸みをある凸状の、やや大きい発疹が多数生じてしまった。

 そこで猪苓湯を加えたところ、2〜3日で上記の諸症状が急速に消滅し、10日後には8割がた治まっていた。

 あらためて、アトピー性皮膚炎に対する猪苓湯の利用価値をますます再認識!

 もともとアトピー性皮膚炎に猪苓湯を多用して来たとはいえ、症状に応じた臨機応変の配合変化において、これまで必要がなかった人でも、季節変化に応じて、上記のように猪苓湯を加えるだけで、これほどの急速な改善を得られるのだから、本当にアトピー性皮膚炎というのは、デリケート極まりない。

 季節変化に応じた微調整は必須なことで、このような繰り返しのうちに、ご本人自身が微調整のコツを自然に習得されるようになることも多い。

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2011年03月24日の茶トラのボクチン(6歳半)
2011年03月24日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ
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posted by ヒゲジジイ at 23:29| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする