2010年03月24日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ヒゲジジイ
もともとアトピー性皮膚炎に対する数種類の方剤を組み合わせる上で、しばしば利用している猪苓湯ではあるが、乾燥肌で滲出液の漏出は皆無で、丸みのある凸状の、やや大きな発疹が見られないケースでは必要のないことが多い。
そのように滲出液も見られず、丸みのある凸状の、やや大きな発疹が目立たず、顔面や首と両腕の関節部の乾燥性の熱性炎症を帯びたアトピーに、桂枝茯苓丸料加薏苡仁+六味丸+茵蔯蒿湯+(必要に応じて清熱剤)の各エキス製剤の組み合わせで治まっていた人。
ところが春先になって、これまであまり見られなかった鼻の下に少量の滲出液と、首と顎まわりにアトピー特有の乾燥性の異変が再発し、これまで綺麗になっていた右腕の関節だけに、丸みをある凸状の、やや大きい発疹が多数生じてしまった。
そこで猪苓湯を加えたところ、2〜3日で上記の諸症状が急速に消滅し、10日後には8割がた治まっていた。
あらためて、アトピー性皮膚炎に対する猪苓湯の利用価値をますます再認識!
もともとアトピー性皮膚炎に猪苓湯を多用して来たとはいえ、症状に応じた臨機応変の配合変化において、これまで必要がなかった人でも、季節変化に応じて、上記のように猪苓湯を加えるだけで、これほどの急速な改善を得られるのだから、本当にアトピー性皮膚炎というのは、デリケート極まりない。
季節変化に応じた微調整は必須なことで、このような繰り返しのうちに、ご本人自身が微調整のコツを自然に習得されるようになることも多い。
1日1回、今日も応援のクリックをお願いします⇒
2011年03月24日の茶トラのボクチン(6歳半) posted by (C)ヒゲジジイ
【関連する記事】
- 2年前から続く上瞼の湿疹
- 数年前に永久削除したはずの『アトピー漢方専門ブログ』が、まるで幽霊ブログよろしく..
- アトピー性皮膚炎の状況変化による漢方薬微調整のご質問
- 火神派(扶陽派、温陽派)という一派を妄信することの弊害
- 他の疾患とは異なり、アトピーはデリケートで季節変化を生じやすいので、頻繁に通える..
- 頑固なアトピー性皮膚炎の漢方治療は頻繁に通えるところへ
- 舌証はまったくアテにならない時もあるとはいえ
- アトピー性皮膚炎、春の再発
- 隠れ花粉症とも言われる花粉症皮膚炎には
- アトピー性皮膚炎で、関西から10日毎に通えそうにない人なので、研究熱心な漢方薬局..
- 残念ながらお断りせざるを得ない典型的なお問合せの事例
- 重症のアトピーが一定の効果を得て、1年以上経ったところで、やや足踏み状態を励ます..
- アトピー性皮膚炎は非常に敏感なので、通っている漢方薬局をどこまで信頼できるか?
- 薏苡仁(ヨクイニン)の保湿効果はどこから来るのか
- アトピー専門のHPとブログを合計2つ、全面削除した理由
- アトピー性皮膚炎に薏苡仁(よくいにん)が有効に作用しやすいタイプは
- アトピーの頑固な滲出液が高濃度の知柏地黄丸製剤でなければ止まらなかった特殊例
- アトピーはとても敏感なので、いつも書いているように、頻繁に通える専門家を見付ける..
- 毎年恒例の行事、年末年始の食い過ぎで、アトピーが少しだけ再燃した人もいたが・・・..
- 六味丸よりも八仙丸(味麦味麦地黄丸)の方が保湿力が強いのだが