2017年02月18日

眼科疾患に漢方薬長期使用の有効性について

2009年02月18日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月18日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 先月購入した山本昇吾著『漢方眼科診療35年』の副題は、注目に値する。
漢方治療による全身状態の改善は眼科疾患の改善・予防・進行遅延に確実に有効である
とある。

 西洋医学的な眼科治療で治らない各種眼科疾患に、すべてが漢方薬で根治できるはずもないが、少なくとも進行を遅らせたり、現状よりも改善できたり、自覚症状をほとんど消滅させることなど、西洋医学治療よりもはるかに優れた部分は多いことと思われる。

 この書籍のしょっぱなから、西洋医学の眼科治療における驚くべき指摘がある。
目に効く薬はステロイドと抗生物質だけで、他の薬は効かない

 過去、愚妻の虹彩炎と一時使用したステロイドの点眼薬のお陰で激しい眼圧の上昇も、長期間の漢方薬の内服と外用によって、ほぼ完全寛解を得て10年近くが経つが、漢方薬がなかったら、どうなっていたかと思うと、ぞっとする思いである。

 また日々の仕事では、緑内障で視野欠損や片目が失明している人で激しい頭痛を伴っている人など、少なくとも苦痛を除去してあげたり、進行を食い止めたり、軽症では根治的に改善を得たり、眼科専門の漢方相談を行っているわけでもないのに、年々じわりじわりと増え続けている。

 ともあれ、上記の書籍の副題にある通り、もっとも重要なのは「漢方治療による全身状態の改善」を長期的に行うことであろう。

 日本漢方的な随証治療であっても、あれだけのことが可能なのだから、さらに中医学的な弁証論治が加われば、まだまだ眼科領域にも無限の可能性が秘められているはずである。

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2009年02月18日の茶トラのボクチン(4歳)
2009年02月18日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母