2007年06月12日

アトピー性皮膚炎の難渋例の漢方薬の続報

おたより:内科医師

 先日、アトピーの難渋例についてご助言くださいまして、ありがとうございました。
 黄連解毒湯1包+猪苓湯1包+インチンコウトウ2包の合包と補中益気丸1包+六味丸1包の合包を処方していましたが、1週間して受診なさいました。
 全身の発赤が軽減し、顔面の痛みを伴った浮腫も改善傾向にあり随分楽になりました、とおっしゃっていました。ありがとうございます。
 昨日の舌所見は歯型あり、色調はやや紅から紫で、苔はありませんでした。
 ご報告申し上げます。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 成人のアトピー性皮膚炎の場合、漢方薬によって8割以上の寛解を得るまでには、多かれ少なかれ紆余曲折を経て、次第に寛解が得られるようになり、その間には様々な配合変化を繰り返さざるを得ないケースも多く経験しています。
 最初から最後まで同一方剤の配合で寛解する幸運なケースはそれほど多くはないように思っています。

 なお、アトピー性皮膚炎患者さんにしばしば付随する瘀血(オケツ)の問題につきましては、茵蔯蒿湯と六味丸の配合や、六味丸と大黄を配合するケースでは、茵蔯蒿湯中の大黄と六味丸中の牡丹皮にはそれぞれ優れた活血化瘀作用がありますので、敢えて他方剤による駆瘀血作用のある方剤を併用する必要がなかったというケースをしばしば経験しています。

 ご報告頂いた配合につきましては、類似した配合パターンの症例を当方でもシバシバ経験していますし、現在も類似した配合パターンの適応者がたくさんおられます。

 また、多量の滲出液を伴っている表衛不固に対する玉屏風散製剤(黄耆・白朮・防風)を必要とするバターンが今年はちょっと目立っています。
 蛇足ながら、ご報告まで。
                      頓首
    村田漢方堂薬局 村田恭介拝 
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posted by ヒゲジジイ at 20:00| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする