2016年11月25日

帯状疱疹後神経痛には、数十年前には桂枝加朮附湯が的確にフィットする人が多かったが

2011年11月25日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年11月25日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 思い出してみれば、現在94歳になる常連さんなど、数十年前の帯状疱疹後神経痛が、左上腹部というより下腹部でもなく、左中腹部から脇にかけて、と言った方が適切な位置に比較的広い範囲に生じていたピリピリする持続性の頑固な疼痛に、温めると軽減するというので、桂枝加朮附湯が的確にフィットして比較的短期間に根治し、現在に至るまで二度と帯状疱疹を再発することはない。

 思い出してみれば、帯状疱疹後神経痛に限らず様々な神経痛関係に、数十年前までは桂枝加朮附湯は、間違いなく当時の常用方剤であったのだが、昨今は村田漢方堂薬局に関する限りは、この方剤の適応者に遭遇することが稀となっている。

 当時は現在と異なって、暖房設備が貧弱な時代傾向の影響だったのだろうと思わざるを得ない。

 当時、頻繁に使用していた附子の配合された方剤を必要とすることが、昨今は滅多にないのだから、不思議というよりも、昨今の暖房設備の充実度の時代的な影響のお陰だろうと考えるのである。

 といっても、このような時代にあっても附子の証を呈する人達は、寒冷の環境下の職業従事者や暖房を使わない人達以外では、グリーンスムージや生野菜の多食、あるいはビールやアイスクリームなど、腸管を冷やし続ける食生活や、あるいは伊達の薄着の悪習慣が癖になっている人達に違いないが、高齢になると老化による陰陽衰微による自然現象としてもあり得ることだろう。

 それはともかく、帯状疱疹後神経痛については、昨今は五苓散+板藍茶がフィットすることがとても多いのだが、ときに外れる場合は、弁証論治に従って、的確な他方剤を見つける必要があるのは言を俟たない。

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2011年11月25日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年11月25日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ