昨日も、ツムラ大建中湯は置いてますか?という男性からのお問合せ。
「これまで服用した経験があるのですか?アナタに合っているとは限らないので、安易に販売することは出来ませんよ」
という応答に対し、病院からもらっているが効かない。大建中湯の効能には自分の症状に合っているはずなのに、という返事である。
「だったらなおさら効きもしないお薬を求めても意味がないではないですか?」
次に60番(桂枝加芍薬湯)が出たがこれも効かない、という返事である。
「でしたら、もう一度その病院でご相談されてみられたら如何ですか?」
というところで漸く意味不明な問答も終わったのだった。
意味不明のお問合せとは言え、これが男性だったからこれくらいで済んだが、相手が女性だったらトンデモナイ珍問答と喧嘩腰の押し問答になりかねない。
往々にして女性の問い合わせの場合には自分の意に満たない返事であれば、ガミガミと噛み付かれるのだから、どうしようもない地に落ちた日本社会である。
ともあれ結局、上記の質問も何の為の質問だったのか、効きもしない大建中湯を求めてどうしようというのか、これも意味不明だが、病院で出された医療用漢方(ツムラ漢方)が効能通りに効いてくれないからと言って、こちらに問い合わされたところでどのように返事をすれば満足されるのか?????
毎日まいにち、電話による愚問との戦いを強いられているのが女性薬剤師の気の毒な役割なのである。
【編集後記】 現在、医療用漢方の世界では大建中湯が乱用気味であることは、漢方界ではもっぱら危惧される不安な現象として捉えられており、一部の識者の間では、第二の小柴胡湯事件を引き起こさなければよいがと大いに危惧されている。
すなわち腹部症状とみたら安易に大建中湯の投与が推奨されており、方証相対や弁証論治を無視した民間療法的な使用方法に警鐘を鳴らす専門家(「漢方の臨床」誌2006年1月号など)もおられるのだが・・・同じような過ちを何度繰り返せば懲りるのだろうか?
【関連する記事】