2009年7月3日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 職 業 】:主婦
【 地 域 】:中国地方
【 お問い合せ内容 】:
初めてメールを致します。
若い頃より何をしてもすぐに疲れる虚弱体質でして、数年前より近隣の漢方薬局から十種類以上の漢方薬を服用してきましたが治らず終いでした。最後には一番虚弱な者に処方する四君子湯にも胃もたれするほどすべての漢方薬を受け付けず。それほど身体が弱っているのか、誤診なのかは分かりません。
梅雨のこの時期、身体はますますいうことを聞かず、15?センチの身長に5?キロといわゆる水太りと申しますか、何もしなくても体重は増えていきます。
十分睡眠時間はとっているにも関わらず、昼間も暇さえあれば横になり、うつらうつらしています。
疲れも取れず、何をするのも、喋る事さえ億劫に感じます。
何かご意見頂けると大変助かります。
2009年7月3日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:
四君子湯という漢方薬は、本来は滅多なことで、これ単独で用いるべき方剤ではありません。
胃弱の人は、配合がシンプルすぎて、六君子湯のような気の通りをよくする陳皮などの配合がないために、むしろ胃もたれを生じることがあり得る方剤です。
もしも六君子湯も既に試してみて、これでも胃もたれを生じるようであれば、漢方薬はあきらめた方がよいのかもしれません。
過去、この仕事を四十年以上続けていますが、四国から来られた医療関係者の女性が、病院から投与される合成医薬品は、効果がないだけで、なんの不快な症状が出ないのに、日本中の高名な漢方専門の医師たちのところを歴訪してみて、いずれの漢方薬も不快な症状が出るので続けられなかったと、なんだか自慢でもされるような錯覚を起こすほど、不思議な話をされていました。
せっかく遠路はるばる来られたので、可能性のある方剤を何種類かお渡ししたのですが、唯一、インチンコウトウだけが、かろうじてやや効果を感じるが、それ以外はどれも不快な症状が出るとメールがありましたので、残念ながら当方でもお手上げですと、お断りせざるを得ませんでした。
このように超稀なことながら、もうお一人は、不明熱(発熱)に苦しまれる人が、地元の漢方薬で却って調子が悪いという熱証の体質らしい人なので、牛黄を試すようにアドバイスしていたところ、これでも却って体温が高くなるとメールがありましたので、あり得ない不思議な反応なので、こちらではお手上げで、これ以上のアドバイスは不可能だとお断りしました。
地元近辺でも過去、地元でも病院の薬も、あらゆる市販の薬も、胃もたれを生じて続けられないという神経質な女性に、六君子湯を試してもらったら、やはりこれもダメだというので、あきらめてもらいました。
このように記憶では、四十数年の仕事上で、約3名ほど、お手上げの人がおられましたので、もしかしたら残念なことに、貴女もそのような体質であるのかもしれません。
あるいは慢性疲労症候群や甲状腺機能低下などかもしれないので、一度、しっかり専門病院で諸検査を受けてみた方がよいように思います。
しっかりした診断が下れば、何も漢方薬ばかりに頼らずとも、西洋医学治療も可能なのかもしれません。
もしも過去、病院で診察をしてもらったことなないのであれば、漢方薬を考える前に、まずは病院で診察を受けるべきです。
2012年7月3日の体調を崩した茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
折り返し頂いたメール:
お忙しい中、さっそくお返事を頂きましてありがとうございます。
六君子湯は試しましたが、やはり胃もたれ便秘を起こしてしまいダメでした。
病院には、胃腸科、内科、心療内科など通いましたがどれも症状は改善されず、やはり出された薬で胃もたれをする始末。
母も似たような体質でして、遺伝による所もあるのかもしれません。
しかし、生活に支障が出るほどですのでなんとか改善したい所です。
病名もなく、ただ怠けているように申し訳なく思っていたのですが、甲状腺機能低下症など私の症状が当てはまる病気もあると聞いて少し安心しました。
この機会に大学病院で検査を受けてみようと思います。
大変参考になるご意見をありがとうございました。
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2012年7月3日の体調を崩したボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
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