2016年04月13日

目に余るステロイド剤を乱用する人達

2008年04月13日の茶トラのボクチン(3歳半)
2008年04月13日の茶トラのボクチン(3歳半) posted by (C)ボクチンの母

 タイトルは、本来なら「目に余るステロイド剤を乱用させる医師達」とするべきかもしれない。
 患者さんの責任というよりも、実際には投与しっぱなしで乱用を放置する医師のほうが問題が大きいかもしれない。

 ステロイドも正しく使用すれば、決して恐いものでも危ないものでもないはずだが、最近、立て続けに目に余る乱用を繰り返しているアトピーの人達の相談事例が続いた。

 それほど痒みもないのに、肌が荒れるからと3日間続けて、アトピーがまったくない場所にまで、ほとんど全身に塗りつけて、4日間は休むという悪習慣を何年も続けていた人。

 漢方薬で根本治療を望んで来られたが、幸いに六味丸+茵蔯蒿湯の配合で明らかな効果が出ているので、ステロイド塗布を1週間2回程度に、ほんとに痒いと感じるところだけに塗布して、痒くもないところには決して塗布しないように強くアドバイスしていたところ、10日間、まったく塗らずに済んだというので、急に中止するとリバウンドが恐いので、ほんの僅かでも1週間2回ほどは、点くらいでもよいから塗布して、リバウンドを防ぐべきだと叱るように命令したばかり。

 一度も皮膚科に行かずに、代理の家族に行かせて、毎回たくさんのステロイド軟膏をもらって来る習慣が続いていたというので、呆れるばかりである。

 もうお一人は、皮膚科がステロイドの乱用を奨めている現実に唖然とされられたアトピーの患者さん。
 アトピーでステロイド軟膏の塗布を奨められるのは理解できるものの、ステロイドの内服までも続けること2年以上。
 昨年には風邪を引いた後、肺炎を起こして入院したほど、免疫力を低下させている。

 このようなステロイドの乱用を続けさせられていても、決して見かけ上の改善は見られず、滲出液も出ているので、しばらくは衛益顆粒と猪苓湯でよい方向に向かっている気配だが、今後は数年がかりで、ステロイドの乱用を減らしていく努力が必要となる。

 村田漢方堂薬局ではアトピーに限らず、各種皮膚疾患でステロイドを乱用している人達の漢方相談においては、正しいステロイドの使用方法と離脱方法もしっかり伝授している。

 ところが、困ったことに少数の人達だが、ステロイドを使っていたことを秘匿して、漢方薬を始めた途端に、独自の判断でステロイドを断ち切ってしまう間違った行動を取る人がいる。
 そのようなケースでは、いくら漢方薬が効果が出たように見えても、遅かれ早かれリバウンドが生じる。

 それまで順調に効いていたはずが、最近は調子が悪くなったと申告する人に限って、案の定、来られるまでにはステロイドを乱用していて、こちらの漢方薬を服用するようになって以後は、完全にステロイドを断ち切っていたという。

 ステロイド塗布を続けていた人は、漢方薬をはじめたからといって、突然、ステロイドを断ち切ると、どんなに漢方薬の効果が出ているように見えても、ほとんどの例で、突然、リバウンドが生じるので、勝手にステロイド塗布を中止してはならない。

 塗布する回数と量を徐々に減らしていけば、遅かれ早かれ、リバウンドを生じる恐れなく、次第に完全離脱が可能なのだから、勝手な行動を取らないでほしいものだが、本人がこの重要な問題を申告されずに隠したまま、リバウンドを生じても自己責任の問題である。

 いずれにせよ、重症化したアトピー性皮膚炎は、お互いに相当な苦労がほとんど必須である。
 その苦労に耐えられない人は、漢方相談にやって来る資格はない。

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2008年04月13日の茶トラのボクチン(3歳半)
2008年04月13日の茶トラのボクチン(3歳半) posted by (C)ボクチンの母

2010年04月13日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年04月13日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ボクチンの母

2010年04月13日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年04月13日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ボクチンの母

2010年04月13日の茶トラのボクチン(5歳半)
2010年04月13日の茶トラのボクチン(5歳半) posted by (C)ボクチンの母

 
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posted by ヒゲジジイ at 19:52| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする