しかしながら、平成の御世の如き暖房設備は充実し、飽食の時代が長く続く上に温暖化による異常気象の連続では、傷寒の葛根湯よりも温病の銀翹散製剤(天津感冒片や涼解楽など)こそ主役である。
例年なら天津感冒片の使用量が減る5月なのに、逆に冬場並み以上に販売量が増えた月だった。
前口上はこのくらいにして、お隣のブログに先日、高村光太郎の詩「葛根湯」を掲載しておいたので下記にも引用しておく。
葛根湯 高村光太郎作
(初出:明治44年「スバル」8月号)
かれこれ今日も午(ひる)といふのに
何処とない家(うち)の中(うち)の暗さは眼さめず
格子戸の鈴(りん)は濡れそぼち
衣紋竹はきのふのままにて
窓の外には雨が降る、あちら向いて雨がふる
すげない心持に絶間もなく−−−
町ぢゃちらほら出水のうはさ
狸ばやしのやうなもののひびきが
耳の底をそそつて花やかな昔を語る
膝をくづして
だんまりの
銀杏返しが煎(に)る薬
ふるい、悲しい、そこはかとない雨の香(か)に
壁もなげいて息をつく
何か不思議な
何か未練な湯気の立つ
葛根湯の浮かぬ味
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