2011年10月1日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
現在、転移癌のサポートに漢方薬類を利用さている人が相当数に上るが、初期にはしっかりフィットした配合を得るために10日毎に通ってもらうことが多いが、1〜2回来られたのみで、音信不通になる方は、様々な事情もおありだろうから、止むを得ない。
しかしながら、ほとんどの人はしっかりフィットした配合が得られるまで通われて、その後は通信販売に切り替えることがあるにせよ、折々に直接補充購入に来られる人が多い。
幸いなことに、初期から即効を得て、直ぐに体調が急速に改善することを実感してもらえることが多い。
これに自信を得て、焦らずコツコツと継続されるケースが殆どだが、それには配合上で、やたらに補剤ばかりに頼ることなく、祛邪の配合を必ず併用してもらい、扶正祛邪の配合原則を遵守していることが大きいと思われる。
しばしば転移癌のステージ4ともなると、腹膜播種を伴って、多かれ少なかれ腹水が溜まっていることもあるので、補気建中湯や分消湯も併用してもらうことが多いのだが、このような時に、いくら補剤の代表的方剤といえども、補中益気湯や十全大補湯などに介入されては配合の邪魔になることが多い。
せっかく補気建中湯という優れた扶正祛邪のバランスの取れた方剤の配合を台無しにしかねないからである。
補気建中湯という優れたエキス製剤が存在しなかった時代に、その代用として補中益気湯+五苓散を使われていたのは十分に納得できる配合であったが、現代においては、まずは補気建中湯を優先的に使ってみるべきだろう。
それでも効果が得られなければ、補中益気湯+五苓散の配合を使ってみるのもよいかもしれないが、十全大補湯に関しては、腹膜播種に腹水を伴っているケースでは、いくら五苓散を併用してみても無理があるように思えてならない。
ともあれ、転移癌サポートには、往々にして漢方薬類の多剤併用が効果的なことが多いのは、現代中医学でも報告されている通りである。⇒2015年06月23日 『中医臨床』 誌6月号の記事 「中医がん治療の基本的な考え方」
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