2015年09月20日

<主訴>が、副鼻腔炎とアレルギーによる鼻づまり。青い粘性の鼻水と、朝のみ水のような鼻水がでる。慢性的に喉が腫れた感じと鼻と上咽頭部の乾燥感、などのご相談

2008年10月19日の茶トラのボクちん(4歳)
2008年10月19日の茶トラのボクちん(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 地 域 】:関東地方
【 お問い合せ内容 】:初めて相談させていただきます。

 近所の漢方内科でいただいたお薬で具合が悪くなり不安に思い、村田先生のブログに辿り着きました。よろしくお願いいたします。

<主訴>
 副鼻腔炎とアレルギーによる鼻づまり。青い粘性の鼻水と、朝のみ水のような鼻水がでる。慢性的に喉が腫れた感じと鼻と上咽頭部の乾燥(医師には腫れていないと言われる)。


<持病>
 甲状腺機能低下症(チラーヂン12.5ug1錠を毎日服用)
 高プロラクチン血症(カバサール0.25mg2週間に1錠服用)

<体質、病歴>
 16?cm、5?kg やせ型。血圧は90・65くらい。貧血気味。胃弱。便秘。
 舌は肥大し先の方は赤くツルっとしており、真ん中から奥にかけてうっすらと黄色がかった舌苔。手足に汗をかく。

 アレルギー体質(花粉、ハウスダスト、動物、甲殻類、金属、抗生物質のクラリス)
 年間を通してアレルギー結膜炎

 3年ほど前から慢性的な喉の痛み、鼻と喉の乾燥。後鼻漏のような感じ。慢性的な疲労感、空腹時の低血糖。

 栄養療法にて疲労感は改善するも、疲れたり冷えると喉の腫れが強くなり疲労感が増す。

 3か月程前から青い鼻水、軽い鼻づまりがあり副鼻腔炎らしき症状あり。朝起きてからしばらくは水のような鼻水がしばらく止まらず。アレルギー結膜炎も悪化。 口唇ヘルペス発症。

 今月初めに風邪をひき、咽頭部の腫れと悪寒と熱感、水のような鼻水。漢方内科で葛根湯加川芎辛夷を処方された夜38度熱がでてヘルペス再発。耳鼻科に行くも同じ漢方を処方され、汗が止まらず疲労感が増し胃もたれあり。副鼻腔炎と診断されるも妊娠希望の旨を伝えたため抗生物質は処方されず。

 イスクラ薬局で鼻淵丸・板藍茶を勧められ服用。

 3日後微熱が下がらないため別の耳鼻科へ。抗生物質を10日間服用し微熱改善、青い鼻水も軽減。水のような鼻水が止まった途端、ひどい鼻づまりに。アレルギー性鼻炎を併発と診断。点鼻薬処方。

 イスクラ薬局の鼻淵丸がなくなったため辛夷清肺湯を処方してもらい現在2日目だが改善を感じられず。
 現在の服用薬は ツムラの辛夷清肺湯(1日3包)、板藍茶(1日4包)、喉が痛みが増した時など天津感冒片をトローチのように服用(1日3錠ほど)。

 以上です。このままこのお薬で良いのか、他にもっと適したものがあるのか不安に感じております。
 風邪についてのお薬もなのですが、妊娠希望していることもあり数年の体調不良やアレルギーについても改善したいと思っております。先生のお考えをお教えいただければ幸いです。

 お忙しいところ大変恐縮なのですがご返信の程よろしくお願いいたします。
 最後になりましたが長文になり申し訳ございません。

2008年10月19日の茶トラのボクチン(4歳)
2008年10月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

メール拝見しました。

 現時点での症状から言えば、舌の状態

>舌は肥大し先の方は赤くツルっとしており、真ん中から奥にかけてうっすらと黄色がかった舌苔

 ということで、舌先のほうが赤くツルとしているのは、肺熱と肺陰虚が併発している状態である可能性が大ですので、辛夷清肺湯が適応しそうです。
 真ん中からのうっすらした苔も、軽度の熱邪の存在は疑い得ないところだと思います。

 また、咽喉の問題を考えれば、

>天津感冒片をトローチのように服用(1日3錠ほど)。

 これだけでは足りない可能性がたかく、咽喉の状態のよいときでも、最低限これは常用されながら、辛夷清肺湯と板藍茶を服用するときに、転進感冒片を
2〜5錠の範囲内で一緒に服用すべきだろうと思います。

 鼻の状態によっては、板藍茶だけでは抗菌作用が弱い場合は、白花蛇舌草も1回に1包ずつ1日3回併用したほうがよいかもしれません。

>青い粘性の鼻水

というのは、細菌の屍骸だけでなく残存する熱邪の存在証明みたいなものですが、

>朝のみ水のような鼻水がでる

 というのは肺寒とは無関係で、肺気の宣発・粛 降のトラブルですので、辛夷清肺湯や天津感冒片でしっかり有効な場合が多いのですが、念のため、滋陰利水作用のある猪苓湯も併用するとて、より効果的ではないかと思います。

 猪苓湯には、肺・脾・腎・肝の四臓の補益とともに滋陰利水の効能があり、少陽三焦を通じて皮毛と肌肉間の膜腠区域の水分代謝の偏在を調整する効能を発揮します。

 少々専門的なことを書きましたが、結論として、

>現在の服用薬は ツムラの辛夷清肺湯(1日3包)、板藍茶(1日4包)、喉が痛みが増した時など天津感冒片をトローチのように服用(1日3錠ほど)。

の配合で、基本的にはよいと思います。
 辛夷清肺湯の品質の優劣の問題が多少あるかもしれませんが、処方としては正解だと思いますが、天津感冒片の使用量が上記に記したようにもっと増やすべきかという結論です。

 それでも効果が弱い場合は、可能性として、さらに白花蛇舌草を加えてみることと、鼻水の改善が得られない場合は、猪苓湯の併用も考えてみる、ということの提案です。

 もちろん、文面だけでの憶測になりますので、あくまで参考程度の話として、ご了解下さい。
 以上、取り急ぎ、お返事まで。

2009年10月19日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年10月19日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:

 お疲れのところ早急なお返事ありがとうございます。
 大変ご丁寧な内容に感激いたしました。

 妊娠中の漢方薬服用も大丈夫と以前書かれていらっしゃいましたので、安心して教えていただいたお薬を服用してみます。

 慢性的な症状が改善しない場合は実家が○○ですので帰った際に伺って相談させていただきます。
 村田先生ありがとうございました。

2009年10月19日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年10月19日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

>慢性的な症状が改善しない場合は

ということですが、一度来られたくらいで、固定的な配合が決まるわけではありません。状況によって折々の配合の微調整が必須のことですので、折々に通える範囲のお近くの漢方薬局を見付けるのが無難です。

 一般的には、保険漢方を主体にした漢方専門の医師であっても、保険の範囲内では、あまりにも漢方薬の種類が少なく、中草薬類にいたっては皆無ですので、しっかり体質改善を行うには、お近くで漢方専門の薬局を見付けるのが無難です。

 当方では、各HPやブログで記載していますように、最初の一定期間は10日毎に通える人でなければ、残念ながら、ご相談をお受けしていません。

 繰り返しになりますが、一度来られたくらいで容易に体質改善が可能になるほど、最初から配合を固定できるわけではありませんし、早めに固定できたとしても、ときには季節変化に応じた配合変化を行う必要が出てくる事こともあり得るからです。

なお、上述の通り

「最初の一定期間は10日毎に通える人でなければ、残念ながら、ご相談をお受けしていません。」

という主旨を広報するのに好都合ですので、

ブログに掲載して利用させて頂きたいと存じます。

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2009年9月20日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年9月20日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母


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