その分、軽症者は短期間で治ってサッサと止めてしまった人もいる反面、病歴が長期間にわたり10年〜40年というケースがほとんどである。
その間には病院治療のみならず保険漢方や自費の漢方など、様々な治療歴を経て来られる訳だが、中には漢方薬は初めてという方もおられる。
村田漢方堂薬局の漢方薬でアトピーが治って喜ばれたことは数知れないのは当然であるが、二十数年前には実に慙愧の念に耐えない苦い経験もある。
皮膚科治療はもとより高名な医師による自費の漢方薬や健康食品および塗り薬(実はステロイドを隠して混入されていたと後に判明)などで一時は好転するもその後は悪化の一途を辿り、眼科疾患の手術も繰り返すほどに重症化。
当時、重症の女性が村田漢方堂薬局の漢方薬で治ったことから、噂を聞いて下関に職を見つけて働きながら数年間、根気良く通い続けた人がおられた。
3年以上かかって8割以上の緩解を得て、実家の都会に戻ったのは良いが、しばらくすると空気が合わないのか再発してしまった。その後は漢方薬を電話相談に切り替えて送り続けたのだが、下関にいるときほどの安定は得られず、いつの間にか音信が途絶えた。
こういう苦い経験の悔しさと申し訳なさから湿熱傷陰にともなう肝腎陰虧(肝腎陰虚)に対する六味丸の応用や少陽三焦理論を応用した猪苓湯活用の開発、および体質改善三点セットの考案など、様々な工夫が生まれたのである。
だからその後は、服用者に根気がある限りは滅多にドジは踏まない。たとえ初期に思いがけないものが合わずに一歩後退することがあっても、直ぐに修正がきくのも様々なケースを経験しているからである。(アトピー性皮膚炎というものは他の疾患に比べても極めてデリケートで敏感な体質保持者が罹る病気であることを忘れてはならない。)
アトピー性皮膚炎が緩解して美男美女、やはり男性も勿論だが長年苦しまれていた女性達が本来の美しさを取り戻すのを目撃するのが、この仕事の大きな楽しみの一つなのだった。
関連サイト:
※村田漢方堂薬局のアトピー漢方薬専門サイト
※漢方薬によるアトピー性皮膚炎治療薬研究論説集(中医漢方薬学派40年の歴史)
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