2010年8月28日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
現代中薬学において、猪苓は補益性が否定されいるが、実際には補益性があるのではないか!?
神農本草経には「久服すれば身が軽くなって老いに耐えるようになる」とあり、また清代の名医葉天士は「猪苓の甘味は益脾する。脾は統血するので猪苓の補脾によって血が旺盛となり、老いに耐えるようになる。また猪苓の辛甘は益肺する。肺は気を主るので猪苓の補肺によって肺気が充実して身は軽くなる」と解説している。
卑近な例では、猪苓湯には配合される猪苓と茯苓や阿膠とともに、かなりな補益性が並存すると考えるべきだろう。扶正と祛邪を兼ね備えた、優れた方剤である。
傷寒・金匱の時代の方剤における人参は、ほんとうは党参だったのではないか?
1980年に王占璽氏が著した「中薬処方的応用」(科学技術文献出版社重慶分社発行には、
吉林参(ウコギ科のオタネニンジン)は、唐の太宗の時代に薛仁貴を派遣した遼東征伐において発見したものである。とある。
張仲景の傷寒・金匱が著されたのは東漢であるから、歴史の時間的な前後関係から考えると、仲景の言う人参は、実際には現在の党参(キキョウ科ヒカゲノツルニンジンなど)に該当するのである。
それゆえ脾虚による心下痞には党参を用いて、独参湯証の場合にこそ(党参では効果が乏しいので)ウコギ科の人参を用いるのである。
雲南田七は温性とされているが、実際には温でも寒でもなく平性であると断定した異論。そのような論説が中国の中医薬雑誌(出典はいずれ見つけ出して公開したいが現在手元になく書庫の中で埋もれている)で縷々論証されている専門家がおられたが、まったく同意するものである。
熟田七ではとうぜん温性であるが、生田七が温性であろうはずがない。
このような異説は数々存在するが、中でも上記の3種類の問題は、異説こそ正論であろうと信じるものである。
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