2010年7月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
超末期がんでは、当方の出る幕ではないはずなのだが、諸条件によってはお断りしきれない場合がある。
若い頃には、亡くなられた後に、突然ご家族が訪れて、残った薬草を店に入るなり、喚きながら投げつけられたショックによるトラウマは、いまだに消えない。
だから当然、どんなに依頼されてもお断りしたい病状のレベルというものがあり、保身の上からも逃げるに限るのだが、どうしても人情にほだされてお断りしきれないことが稀にある。
昨年は膵臓がん末期で腹水ひどく、少しでも楽にしてもらえないかと御家族に依頼されて、お断りしきれずに補気建中湯に牛黄製剤などで、苦痛を軽減できて、なくなられた後に、とても感謝されて胸を撫で下ろした。
今年は、地元で見捨てられたという北陸地方の同年代の御夫婦が、九州で抗癌剤注入治療を繰り返され、その都度腹水が生じて、いつもは自然に消失していたのが、抗癌剤の効果が弱まるにつれ、相対的に腹水が引きにくくなり、ネットで腹水治療の宣伝を打っている薬局で漢方薬を求めても効果がないというので、例によって、補気建中湯+分消湯に牛黄製剤や中草薬の併用によって1日で腹水が一気に軽減された。
お二人の不安は、亡くなられるときの苦痛の持続の問題だといわれ、腹水が軽減したことで、最後の賭けとばかりに、よせばよいのに再度抗癌剤注入を依頼したところ、再度激しい腹水が生じて、今度ばかりはなかなか漢方薬の効果が十分に発揮できない。
その後は自宅療養しつつ、病院で対症療法を行ってもらっていたが、突然、肝不全および腎不全を生じてお亡くなりになった。
もともと食欲があまり衰える人ではなかったが、お亡くなりになる2日前までは食事を摂れていたので、突然のことで、とても不安に思われていた亡くなる前の苦痛もなく、ほっとされたとの御家族からのご報告があった。
少なくとも過去の記憶では、漢方薬を続けられた人で、苦しんで亡くなったといわれたことはないので、こんなところにも漢方薬類の有用性はあるのかもしれないが、超末期癌の漢方相談は、本心から言えば、こちらの胃が縮む思いが長期間継続することにもなるので、できることなら御遠慮申し上げたいところである。
いずれの人達にも、たとえばジョージ・W. ミーク著の『死後の世界と魂の成長―死んだらどうなるか』を噛み砕いてお話しているので、今頃は皆さん天界で笑っておられることだろう。
たまには応援のクリックをお願いします!⇒
2010年7月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
【関連する記事】
- ヤフーニュースでは、相変わらず、ほどほどの著名人の死亡記事が目立つが・・・
- さあ、どうしますか飲酒家のみなさん、アルコールの発癌性は想像以上ですが・・・
- 仕事上で何度か遭遇したことから「がん検診」に懐疑的に
- がん検診を受ける価値ありやナシや
- このような奇特な医師に巡り合えば癌末期でも苦しまずに延命できる
- 高齢者の末期がんのご相談
- 中医漢方薬学におけるがんサポートに必須なもの
- 転移癌の予後は、主治医の技量と度量に、かなり左右される
- まずは好きな食べ物を中心に、食い力(くいぢから)こそ重要なのでは
- 高齢者にとっては、初期癌よりもコロナの方が怖いだろう
- 死の恐怖がなくなると、漢方の効果も
- 世の中、そんなものでしょう
- 一貫堂の中島随象先生の各種癌に対する処方例
- 心と身体の無視できない、強い相関性の問題
- 明らかに逆効果だった転移癌に対する姑息手術
- 「抗癌剤をしなければ余命半年」という脅し文句
- 厚生労働省発表によると、2016年の新規がん患者は大腸・胃・肺・乳房・前立腺の順..
- 休業日の前後は新規相談は受け入れ不可能なのに
- 希望通りの試作品
- やっぱり美味しいものを食べて、しっかり栄養を付けるに限る