2007年05月19日

5月16日の続き(信頼のおける漢方薬局を見付けるには)

5月16日 の続き!

関東より3度目に受け取ったメール: ブログへの公開ありがとうございました。長文乱文すぎて、公開されないだろうと思い込んでおりましたが、メールご返信とは別に、参考になるご指摘が多々ありました。
 その長文のわりに、説明不足な部分があったようで、要らぬ推測をさせてしまったようです。

というのも、昨年7月より
荊芥連翹湯 半夏瀉心湯 葛根湯加川芎辛夷 辛夷清肺湯 荊芥連翹湯 現在に至るまでのこの流れ、同じ漢方調剤薬局のエキス剤を使用しております。
 この1年弱の8〜9割の間、同一薬局のものを服用しておりました。ここが処方するのは、何がしか作用を感じた(反作用もあり・・)ので、品質の良いメーカーエキス剤を出すな、と感じていたからです。

 また、この間、決められた服用数、2〜3包を一日一度も欠かしたことはありません。
 ある意味、「漢方薬」自体には浮気をしていなかったし、改めて自分で思い返してみて、昨年6月にカビアレルギーを発症し、「絶対治す」という決意があったから続いたと思います。

 確かに他の何軒かの薬局を訪ねましたが、医療でいうセカンドオピニオン的に、方向性が間違っていないかの確認や、あわよくば、さらに信頼できる薬局が見つかればと思ったのですが、結局、、、

(1)「単方」のみ 最低1ヶ月単位でしか出さない店

が、(残念ながら・・・)地元で少しでも信頼できる唯一の店であったわけです。

が、そこにきて、

単方では難しく、『最低でも2〜3処方が必要である。』

と言われてしまうと、やはり、この近辺での限界を感じますし、地元で「専門家」を見つけなさい といわれてるのに、見つけるのに、「渡り鳥」をしなければならないこの現実・・・

 村田さんの、いくつかのご指摘・お言葉を、現状の私の周辺の漢方薬局事情にあてはめてみると、矛盾が生じてしまうのです。
 思考停止してしまいます。

 私なりではありますが、石の上にも1年弱ですが、真摯に漢方薬と向き合ったきたと思います。
 もう一アドバイスいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 この往復メールもそのままブログに掲載させて頂きたいと思います。

 今回のメールで、かなりご事情を理解することが出来ました。少なくとも石の上に3年ならぬ同じ薬局で1年近くは頑張られておられたのですね。
 慢性疾患というものは時として思うような効果が得られず、患者さんのみならず薬局側でも右顧左眄するばかりで、なかなか配合がうまく噛み合ってくれないときがあるものです。
 小生も過去に何度も経験していますし、現在でもそのような方を数名抱えています。
 
 過去、そのような場合でも、お互いに諦めずに切磋琢磨するうちに、意外なところから糸口が見つかり、弁証論治により打ち立てた仮説がそのまま現実に効果として発揮する時がやって来るものです。難航する配合も、お互いに長くお付き合いするうちに、気心も知れて来るうちに、その人の性格や体質がまるごとつかめるようになってはじめて、打開の途が開けたということもシバシバでした。

 それだからこそ、少しでも信頼できそうな専門家に出会えたら、同じ所に通い詰め、親しくなればなるほと気心も知れ、そうこうするうちに薬局側も治せない悔しさと申し訳なさで内心は苦渋に悶々としながらも、何とかして差し上げなければという思いが長期間続くうちに(そのために不眠症になることもありますが・・・笑)、試行錯誤しながらも様々な考えが浮かぶようになるものです。

 たとえ、少々経験が少ない専門家でも、勉強熱心でさえあれば、深夜こっそりと様々な専門書を取り出して勉学に勤しまざるを得なくなるはずで、事実、小生自身が若い頃から、そのような治りにくい人で、いつまでも頑張り通して下さった人達のお陰で、結局は8割以上の安定した状態に導けたことは再々のことでした。(そのように滅茶苦茶に苦労した人ほど大の漢方ファンとなられて、それこそ常連さんとなれているのは不思議なほどです。)

 そちらの地元で、多少とも頼りないな〜〜〜と思われる専門家であっても、勉強熱心で仕事にいい意味でのプライドを持っている方であれば、貴方がその専門家を内心では育てるくらいのおつもりで漢方薬局の上にも3年のつもりで、通い詰めるのが最善で最短コースのようにも思われます。急がば回れということになるかもしれませんが・・・。

 事実、ご相談者とはお互い様のことでしょうが、若い頃は相談者のマナーがなってない図々しい人もいて、内心地団駄を踏みつつも、プロ意識と血気盛んな負けず嫌いで、様々な妙案の配合を提示しても、なかなか聞き入れてくれない相手に手を焼いて、何度も険悪なムードになりながらも、それが何年も続くうちにお互いに気心が知れてくると、突然なにもかもうまく行き始めたという例も多く経験しています。

 長々と書きましたが、要するにやはり、少々相手がヘタクソ、知識不足などと思われる専門家であっても、貴方が相手を育てるくらいのおつもりで通い詰めて頑張ることも必要だと思うわけです。
 ただし、

> (1)「単方」のみ 最低1ヶ月単位でしか出さない店

という薬局や、処方を公開しない秘密主義の薬事法違反を平然と犯すような薬局だけは、絶対に避けるべきです。
 できれば定期的にじっくり時間をかけて相談に乗ってくれるところがよいのは言うまでもありません。

 貴方のこれまでのご経験は、同様な経験をして困惑されている人達の貴重な参考資料となるはずです。このメールを送信させて頂いた後、早速、ブログに転載させて頂きます。
 以上、取り急ぎお返事まで。
                 頓首

         村田漢方堂薬局 村田恭介拝


【編集後記】 最初から一ヵ月分まとめて出すのは無謀な投与としか思えないが、2〜3回目の配合調節の段階で、組み合わせる方剤の一処方の選定に間違いがないと確信される場合は、その方剤だけは徳用となる一ヶ月分を渡すことは村田漢方堂薬局ではシバシバあることだ。
 たとえば、最近の典型的な例では、濃い浸出液を伴うアトピー性皮膚炎の人で、二軒の病院の保険漢方により前後、合計六ヶ月間、様々な処方を微調整して頂いたのはいいが、常にツムラ消風散を土台として更に1〜2方剤を併用され、次第に却って憎悪し、消風散合越婢加朮湯に到って最高潮に悪化し、堪らず村田漢方堂薬局に来局。
 初回は例の体質改善三点セットと茵蔯蒿湯に猪苓湯製剤。
 ところが珍しいことに体質改善三点セットが合わないという不測の事故があったものの、茵蔯蒿湯と猪苓湯のみでも10日間に、波打ちながらも明らかに好転。
 次に六味丸を加えると波うちの振幅が小さくなった。今後は玉屏風散製剤や黄連解毒湯製剤を加えるか加えないか(この2方剤も既に購入され、いつでも使用できる態勢をとってもらっている)を思案している段階であるが、少なくとも猪苓湯と六味丸は確実に合っているので、徳用製品のある猪苓湯製剤だけは希望もあってこれだけは一ヵ月分を購入。
 しかしながら今後も安定した効き目が得られるまで7〜10日のペースでやや遠方から通ってもらっている状況である。

 また、効果がなかなか出ずに難航している一部の人でも、本命の主訴には効果が薄くとも、他の面で明らかに合っていることが間違いない場合、徳用サイズのある製剤では一か月分を購入してもらうことはシバシバである。
 当分は基礎方剤として使用してもらわねばならない方剤では一ヵ月分の徳用製品がある場合は、今後の長期戦に向けて経費的には断然有利だからである。

 もちろん1〜2回目でドンピシャで配合が合った場合は、調整がまったく必要なくなるので、直ぐに徳用サイズに切り替える人は大変多いことは言うまでもない。

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posted by ヒゲジジイ at 00:35| 山口 ☁| 徹底したポリシー | 更新情報をチェックする