2015年04月10日

チョコレート嚢胞が漢方薬で根治して以後も

2009年04月10日の茶トラのボクチン(4歳半)
2009年04月10日の茶トラのボクチン(4歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

 現在、両方の卵巣にチョコレート嚢胞があり、手術を予定されているが、その時までに少しでも良い状態にしておきたい、あわよくば手術前に根治させたいという希望で通われている人がおられる。

 そこで思い出したのが、以前にも少しこのブログで書いたことがあるようにも思うが、片方だけに生じた卵巣チョコレート嚢胞を手術後、間もなく片方にも生じたので、二度と手術はしたくないというので、10年前頃に相談に訪れた女性。

 中草薬類も含めて最初から4〜5種類の配合で始めてもらい、体調がよくなっているはずなのに、一時、ネットでの相談通販に切り替えたら、却って調子が狂ったといって、直ぐ戻ってこられた(苦笑。

 その後は真面目に継続されて、いつの間にか5年以上が過ぎていた。
 その頃は関東に転勤されていたが、電話で補充注文があったときに、その後の経過はどうなのよ? あれから何年も経つのに? と問えば、既にとっくの昔に根治したという診断が下っているが、そのまま飲んでいた方が体調がよいので、まだ続けていると。(もっと早く知らせとけよっ。)

 その後、妊娠中は一時、当帰芍薬散に切り替えたものの、産後は当初とまったく同じ配合に戻して、既に最初から10年。漢方薬に完全に嵌ってらっしゃる。

 ともあれ、過去の同じ卵巣チョコレート嚢胞の漢方薬の根治例で思い出すことは、五苓散も加えておいたほうが、効率がよかった例が多いようにも思われる。
 上記の女性は猪苓湯は使用しても、五苓散は使用せずに根治した例だが、あくまで弁証論治しだいであるとはいえ、五苓散も加えたほうが効率がよいかも、と思うのは、次の記事を読んだからである。

 東洋医学会誌だったか、高齢者の手術不能の硬膜外出血に対して、五苓散を投与したところ、多くの例で改善効果があったという類の報告があった。
 まったく異なる疾患ながら、イメージ的には共通性を感じる部分があるからである。

 それゆえ、上記の4〜5種類の方剤のうちのいずれかと、五苓散に入れ替えるか、あるいは単に五苓散を追加するか、などの工夫である。いずれがより効果的かは研究する余地がある。

 他の婦人科系疾患でも、赤ちゃんの頭大に増大した卵巣嚢腫には、強力な活血化瘀の方剤に莪朮や中草薬類(田七など)とともに、猪苓湯や五苓散まで加えて、大量の利尿とともに、ほんの短期間で縮小した例がある。(主治医があまりの即効に驚愕されていたが・・・)
 但し、数ヶ月で中止すると、直ぐに大きく再発したので、5年以上も徹底的に続けることで、ようやく根治。その後も25年以上再発はみられない。

 卵巣癌を疑い続けられた女性のケースでも、同様に疎肝調経活血の方剤に中草薬類(田七など)とともに五苓散まで加えて、何度も消えたかと思うと、ちょっと油断すると出没して、その後15年以上?続けることで、ようやく完璧に消失して疑いが晴れたというケースがあるなど。(その後も継続服用して既に数年以上経過。)

 まだまだたくさんある症例を思い出しても、五苓散を加える意義を、チョコレート嚢胞でもイメージ的には共通したものがある。
 
 いずれにせよ、長期間にわたって継続する根気がなければ、真の意味の根治は望めないことが多い。

 ついでにいえば、子宮頸部異形成に対する薏苡仁エキス製剤の有用性の研究では、長期間の服用で軽度異形成に対する明らかな有用性とともに、中等度異形成についても、一定の有用性があるようだ、と「漢方研究」誌2月号と3月号に、伏木弘医師の研究記事が掲載されていた。
 とすると、高度異形成についても、従来の中医学的漢方薬の配合方剤に、プラス・アルファの意味でも、比較的安価な薏苡仁エキス製剤を加える意義があるかもしれない。

 ちょっと今日はダラダラと書き過ぎたな〜っ

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2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半)
2012年04月10日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ