2009年02月28日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
鼻水は止まったけど、咽喉がイガイガするし、目の周囲が痒く、身体は浮腫むし、夜はひどい不眠症になるし、どうしよう、というやや遠方のお馴染みさんからの電話相談。
小青竜湯は鼻水・クシャミなどに、たとえ即効があっても、頓服程度に止めて、乱用しないように。なるべく藿香正気散で対症療法をするように強く注意していたのに、鼻のムズムズ感や鼻水・くしゃみに即効が出るものだから、朝晩2回、1週間も続けてしまったという。
もともと舌の奥には黄膩苔のある人だから、目の痒みと浮腫には茵蔯蒿湯が適しているのでこれを1日3回服用するようにアドバイスし、鼻の症状が出ても、小青竜湯は滅多なことで使わないようにして、なるべく藿香正気散で対症療法を行うように念押した。
念押ししたものの、どうしても藿香正気散に記載される効能・効果の内容が夏の感冒専門薬的な記載に拘泥されるので、縷々説明したが、以前も何度説明しても、直に忘れてしまわれるらしい(苦笑。
花粉症の希薄・透明・多量の鼻水やクシャミに限っては、対症療法として、小青竜湯や藿香正気散が即効を得やすいが、副作用発現率を比較すれば、雲泥の差で藿香正気散の方が遥かに安全で無難。
といっても、肺寒停飲タイプの気管支炎や気管支喘息の一部の人に、小青竜湯適応者があるのは間違いないが、その場合でもこれが不適で、比較的安全安心な苓甘姜味辛夏仁湯でなければならない人もいる。
だから、とうぜん花粉症の場合でも同様である。
ともあれ、花粉症の時期、巷では小青竜湯の宣伝が過剰なくらい行き届いて、病院の保険漢方でも乱用されているが、体質によっては副作用発現率が最も高い漢方薬の一つだけに、異常を感じたら直ぐに中止して、他の治療方法に変えるべきである。
小青竜湯で花粉症に問題なく即効が出ている人でも、乱用は謹んで、頓服的な対症療法に留めておくほうが無難であろう。
なお、当然ながら、花粉症には上記の方剤ばかりが専売特許というわけではなく、体質によっては葛根湯や葛根湯加川芎辛夷や、天津感冒片(銀翹散製剤)、衛益顆粒(玉屏風散)・辛夷清肺湯や茵蔯蒿湯など、体質によってフィットする漢方薬は大きく異なる。
また、体質改善でしばしば威力を発揮するのは、衛益顆粒+六味丸がフィットする人は想像以上に多く、これがフィットする人では、多くは徹底的な体質改善が可能である。
また、特殊な方法では、ササヘルスを主体にした三点セットは常連さんだけが知る秘法となっている。
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ラベル:小青竜湯
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