
2008年10月3日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ
中医理論の綿密詳細さにおいては、日本漢方なんて、足元にも及ばない。
しかしながら、日本漢方がすべてに劣るかと言えば、そうともいえない部分が、ないでもない。
それは何かと言えば、基本方剤を徹底的に利用しようという精神。
その精神によって、体験的に基本方剤のユニークな使用方法が、一部の方剤においては、中医方剤学で理論的に究められているものよりも、広範囲に応用できるノウハウを持っていることである。
たとえば、詳細は述べないにしても、柴胡桂枝湯や葛根湯、あるいは柴胡桂枝乾姜湯、桂枝茯苓丸や桃核承気湯など、古方の方剤に多いが、補気建中湯や分消湯など、後世方においても優良方剤の発掘にも目覚しい部分がある。
但し、防風通聖散を肥満薬として宣伝するなど、どうしようもない錯誤を犯すという、救いようがない過ちを犯すのも、中医理論のような、基礎理論があまりにも脆弱過ぎるがゆえの、大きな問題である。
総合的に見れば、明らかに日本漢方よりも、中医学のほうが、数段優れているのは間違いない。
だからといって、日本漢方の古方の方剤を中心として、基本方剤を徹底的に極めようとしてきた、歴史と伝統を学ばないでいるのは、とても勿体無いことである。
だから、中医学と日本漢方の両者を学ぶべきなのである。
といっても、日本漢方における実証・虚証・虚実中間証という、とりわけ実証と虚実中間証という概念の、蒙昧錯誤については、医学生や薬学生では、試験に出題されることが稀にあるので、止むを得ず知る必要はあっても、学ぶ価値は、まったくない。
実証と虚証について、徹底的に極めようと思えば、全文を読み通す気力のある人は少ないかもしれないが、⇒ 虚証と実証について および 邪の湊るところ、その気は の2つを参照されたし。
ともあれ、中医学を基礎に、日本漢方の基本方剤を徹底的に極めようとする精神を融合した流派を、ヒゲジジイによって『中医漢方薬学』と名付けられている(呵呵。
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2009年10月3日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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