2008年9月27日のボクチン(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ
漢方相談専門薬局の仕事では、中医基礎理論をマスターすることは必須条件である。
しかしながら、基礎理論をしっかり理解したからといって、実際の漢方相談時に適切な漢方薬の配合をアドバイスできるようになるわけではない。
現実的な実践学習が必須となる。
つまり、中医理論の有機的な活用能力を、漢方相談という実践上で養わなければならないのである。
そこで、もっとも重要な課題は、一定レベル以上の疾患ともなると、典型的な教科書的病態は、意外に少ないということである。変則的な、あるいは複雑な病態に遭遇することが多いので、中医理論に則った分析能力を、いかにして身に着ければよいか、という問題である。
実際の漢方相談において、一般の中医理論専門書籍による、机上の学習だけでは解決できない疑問点に遭遇することは当然の現実があり、理論上納得できない部分に悩まされたり、「教科書通りには行かないぞ!」と感じた経験は、漢方相談を職とする人達であれば、多かれ少なかれ皆が味わってきたに違いない。
実際のところ、通常の中医理論専門書籍においては、一般の通説を述べるのみで、別解や異説に関しては省略されていることが多いのである。
そのような現実的に遭遇する大きな壁を乗り越えるには、たとえば 中 医 理 論 弁 (瞿岳雲著) 湖南科学技術出版社 などで、しっかり学ぶ必要があるものの、やはりなんといっても、実際の漢方相談の実際の経験が多ければ、多いほど専門書籍では学べない、実践的な知恵が生まれるのである。
といっても、根気よく漢方相談に付き合ってもらえる奇特な相談者があればこそ、のことである。
その点では、村田漢方堂薬局では幸運にも、41年前の開局当初から、西洋医学に見放された地元近辺の人達が、治るまで頑張りますという意気込みの人が集まり、当時は髭のないヒゲジジイをしっかり育ててくれ、本命の病気が治った後も、漢方薬に嵌ってしまい、現在に至るまで常連さんとして、あらゆる病気の治療に漢方薬を利用されている。
但し、どんなに年季を積んでも、こじれた頑固な疾患では、しっかりフィットした配合を得るには、しばらく微調整の繰り返しの期間が数ヶ月以上続くことも珍しくはないが、どこへ行っても治らなかった人達が多い関係上、止むを得ないことだろう。
要するに、複雑な疾患では、裏の裏の、また裏まで読み通すという、通りいっぺんの弁所論治ではすまないことが多いからである。
そのために、どうしても一定期間が必要なこともあるのが現実ではあるが、右顧左眄ばかりするのではなく、ただ実践あるのみである。
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