2009年8月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
いくら何でも、調子に乗って藿香正気散を続けていたら、全身が温まり過ぎて、エアコンの温度を下げたくなって、猫ちゃんたちが迷惑しそうだから、飲むのを止めた。
このような季節や環境変化によって使用すべき方剤は、状況変化に応じて臨機応変に使用したり中止したり、あるいは増減したりすべきである。
ちょっと余計なことを言えば、重症化して相談に来られたアトピーの人達こそ臨機応変の配合変化が必要だが、初期の間は、いくら口を酸っぱく説明しても、慣れないうちは、なかなか実行してくれない。
後手後手になることも多いので、もっと早く報告して、微調整を素早く行うように念押しを繰り返す。
村田漢方堂薬局にやって来られる以前に相談されていた漢方クリニックや漢方薬局では、そのような指導がまったく無かった人達ばかりだから、ゼロからアドバイスするのは、ご本人の病苦とともに慣れない苦労も大変だが、こちらの苦労も並大抵ではない。
といっても、初期のこの互いの苦労を続けていれば、早い人では数ヶ月、遅い人でも半年から一年もあれば、かなり上手に考えてくれるようになり、相談する要領も的確な報告があるから、こちらも素早く配合変化のヒントを提供できるようになる。
何事も、苦労がなければ、良い結果は伴はないもので、「幸福否定」の心の闇を自覚して、いかに前向きに頑張れるかが、人生の一大勝負となることだろう。
話は大きく逸れてしまったけど、今後は藿香正気散は、エアコンの効き過ぎと、アイスバーの過食次第によって、それらによる寒湿中阻の度合い次第で、また使用する機会も多いことだろう。
そういえば、アトピーの男性で、日頃は黄連解毒湯など清熱剤が必要な体質であるのに、一転、エアコンで冷やし過ぎた上に、生野菜の多食などにより、しばしば寒湿中阻に見舞われ、その時は、藿香正気散の服用により、気持ちよく温まって、アトピーの調子も俄然よくなるという、珍しい人もいる。
あるいは単に寝冷えしたときは、藿香正気散ではなく、葛根湯を服用することで温まり、このときもアトピーまで調子が良いという。
「アトピーが調子が良い」という意味は、肌がすべすべして、とても綺麗な肌になる、という意味らしい。
と言っても藿香正気散にしても葛根湯にしても、長期連用は不要な人で、熱化して来ると、通常の配合に戻すわけだから、アトピー性皮膚炎の人では、藿香正気散や葛根湯など、祛風散寒が主体の方剤は、必要最小限に止めておかないと、胃腸や寒気は治せても、長期連用すると熱証部分に悪影響して、痒みを誘発し兼ねない。
この点からも、藿香正気散証を誘発し兼ねない冷飲・冷食は慎むべきだろう。
気が緩んでいる連休中には、まともなブログは書けませんが、できれば応援のクリックをお願いします⇒
2009年8月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ
2012年8月16日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ
【関連する記事】
- 梅雨時期に、得体の知れない湿疹が
- 2年前から続く上瞼の湿疹
- 数年前に永久削除したはずの『アトピー漢方専門ブログ』が、まるで幽霊ブログよろしく..
- アトピー性皮膚炎の状況変化による漢方薬微調整のご質問
- 火神派(扶陽派、温陽派)という一派を妄信することの弊害
- 他の疾患とは異なり、アトピーはデリケートで季節変化を生じやすいので、頻繁に通える..
- 頑固なアトピー性皮膚炎の漢方治療は頻繁に通えるところへ
- 舌証はまったくアテにならない時もあるとはいえ
- アトピー性皮膚炎、春の再発
- 隠れ花粉症とも言われる花粉症皮膚炎には
- アトピー性皮膚炎で、関西から10日毎に通えそうにない人なので、研究熱心な漢方薬局..
- 残念ながらお断りせざるを得ない典型的なお問合せの事例
- 重症のアトピーが一定の効果を得て、1年以上経ったところで、やや足踏み状態を励ます..
- アトピー性皮膚炎は非常に敏感なので、通っている漢方薬局をどこまで信頼できるか?
- 薏苡仁(ヨクイニン)の保湿効果はどこから来るのか
- アトピー専門のHPとブログを合計2つ、全面削除した理由
- アトピー性皮膚炎に薏苡仁(よくいにん)が有効に作用しやすいタイプは
- アトピー性皮膚炎に対する猪苓湯の利用価値
- アトピーの頑固な滲出液が高濃度の知柏地黄丸製剤でなければ止まらなかった特殊例
- アトピーはとても敏感なので、いつも書いているように、頻繁に通える専門家を見付ける..