2010年7月28日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
悪貨は良貨を駆逐するの代表的な用例として「人気ブランドのコピー商品が安く手に入るから、本物のブランド品は全く売れなくなったそうだ」というのがあったが、漢方界の書籍では、コピー商品ならまだしも、相変わらず民間療法に毛が生えたレベルの、日本漢方ともマニュアル漢方ともつかない、安易な書籍が横行している。
それに引き換え、中医学の中級レベルの書籍として永遠の価値がある翻訳書『中医臨床のための「病機と治法」』(原書は陳潮祖先生の『中医病機治法学』)など、はるか昔に絶版となって、古書値が無限に高騰しているという。
これこそ、まさに「悪貨は良貨を駆逐する」というもので、これだから市井の漢方薬局がいつまでも潰れないで、永遠に存続するはずである。
すなわち、保険漢方がいくら盛んになっても、いまだにテレビで漢方専門医が、ツムラ漢方を片手に「風邪に葛根湯、冷え性には当帰四逆加呉茱萸生姜湯、アトピーには温清飲」と宣伝して恬として恥じないレベル。
氾濫する書籍も、これに毛が生えたレベルのものが大多数、といっても過言ではない。
心理学関係の書籍も同様で、笠原敏雄氏のような際立って優れた諸著作でさえも、なかなか出版に漕ぎ着けずに、ようやく奇特な出版社が見つかって、めでたく出版に漕ぎ着けても、様々な「抵抗」に出会って、販売部数が伸びずに、少ない出版部数のまま、いつまでも売れ残るか、あるいは少ない部数が何とか売り切れてしまうと、ほとんど永遠に絶版になってしまう。
要するに、日本人全般の専門領域の向上心や、知性および教養レベルが低い、ということなのだろう。
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