2009年7月17日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
「酒さ」に悩む女性達が、遠近様々というよりも、ほとんどが関東や九州の端っこなどから、わざわざ泊りがけで通って来られる人が年々目立つ昨今、その多くが、桂枝茯苓丸主体に複数の方剤の併用によって改善できる例が目立っていた。
ところが、あきらかな瘀血がありながらも、意外にこれが通用しない女性もいた。
8年前に某国のやや特殊なエステを受けて以後、かなりひどい「酒さ」となり、以来、ツムラの十味敗毒湯など様々な保険漢方を試してみたが、まったく効果がなかったと。
そこで、桂枝茯苓丸料加薏苡仁単独で飲んでもらうと顔に僅かな痒みを生じるというので、地竜を併用で痒みの問題はクリアしたものの、ほとんど無反応である。
「酒さ」によくあるヒリヒリ感などは皆無で、見かけだけが顔面すべてが真っ赤に紅潮。
以前、吹き出物が合併していたこともあったというので、ためしに清上防風湯を併用してもらうと、やや好転の兆しあり。
それなのに1ヶ月近く?のブランクがあり、音沙汰がないままなので、てっきりもう諦めたものと思っていた。
初回から僅か3回の相談で諦めるとは、イヤハヤ、と忘れかけた頃に再来された。
そこで試しに清上防風湯単独で服用してもらうと、超即効。
5日も飲まないうちに8割以上は軽減して熱感もほとんど無くなり、驚愕されている。
驚愕されているのはよいが、平熱の体温36,4のところが、36度弱に下がっており、かといって寒いわけでもなく、ただ身体がだるい気がするので1日服用を休んだら、だるさが回復したという。
清上防風湯は祛邪の方剤ゆえ、扶正の方剤も併用すべきかもしれないが、8年も続いたものを安易に早々に補剤を加えるとせっかくの清上防風湯の祛邪の作用を相殺し兼ねないので、そのタイミングを計るのは慎重を要する。
というより、それ以前の問題として、むしろ単なる梅雨期特有のだるさではないかとも思われもしたのだが・・・
しかしながら、過去の経験から直感するところでは、もしかして実際には・・・
上記の3種類併用時はまったくそのような問題はなかったのに、実に不思議な話のようだが、実は過去にも遭遇したことだが、漢方薬は即効はあり得ないと信じ込んでいる人に、思いがけず即効が出てしまうと「幸福否定」の無意識が猛威を振るい、継続服用を断念したくなるような最もな理由としての心因性の心身反応が出ているのかもしれない のである。
笠原敏雄氏が提唱する「幸福否定」の心理構造の仮説にピッタリとフィットする事例といっても過言ではないように思われる。
すべてがまったくの無意識層での心身反応であるから、本人に自覚してもらうのはなかなか困難で、それには直観と内省力が必須である。
その心理的メカニズムはやや複雑である。
そういえば、昨日、関西から来られた新規相談者の女性が、笠原敏雄氏の『幸福否定の構造』という書籍を購入したいと調べたら、古書値がかなり高いので躊躇されているという。
勘の鋭い人は、笠原氏の仮説を直感的に真理ではないかと感じる人も多い。
笠原氏の諸説のアウトラインを知るには、
心の研究室
を参照されたい。
2009年7月17日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
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