2014年07月05日

救急外来でお手上げだった背中の疼痛に牛黄と大柴胡湯合茵蔯蒿湯を1回の服用で即効

2009年7月5日のボクチン(5歳)
2009年7月5日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 昨日は、少し歩いても息苦しいという女性が、呼吸器内科クリニックで半月治療を受けているが、「軽度の喘息」であるという診断だけで、投与される薬を飲んでも一向に効果がなく、行く度に合成薬とツムラ漢方を様々に変更されるのだが、やっぱりまったく効果がないということだった。

 顔色から見て、直感的に誤診の可能性が考えられる。
 大きい病院で診てもらうべきで、呼吸器の薬を投与されてまったく効果がないのは、もしかして原因が循環器系統で、心疾患が原因ということもあるので、しっかり総合病院で診断と治療を受けるようにお奨めして、当方の漢方薬は一切出さなかった。

 市内の人で、西洋医学治療が半月で効果がないからと、しかも内科クリニックの検査と診断レベルでは実にこころもとない。せまい台所の端から端へ行くのにもひどい息切れがするという状態なのである。
 症状が重い疾患では、往々にしてクリニックレベルの診断では誤診だったケースは珍しくないので、まずは総合病院でしっかり診察を受けるべきである。

 ともあれ、本日の本題に入ると、一家大人3名が、折々に当方の漢方薬を利用されているお馴染みさんの急性疾患のケース。
 背中のかなり激しい疼痛が勃発して、食事も摂れずに難儀し、救急外来で診察を受けたところ、様々に検査しても一向に原因が判明しない。
 挙句は帯状疱疹の前兆かもしれないなどと明らかな誤診をされる始末で、辟易して当方に助けを求めて来られた。
 
 ヒゲジジイと同年代の痩せ型の女性であるが、以前から舌の奥の黄膩苔があることから、茵蔯蒿湯など常用されてはいたが、もともと少食の上に、昨今は胃の調子があまりよくなかったという。その原因が今回の突然生じた背中の疼痛で、判明したも同然である。

 早速、常用中の茵蔯蒿湯に大柴胡湯を併用してもらった。
 念のため、常備されている牛黄を1度は頓服で使用するようにアドバイスしておいた。

 半月たった昨日、従来から病院で原因も診断も不明なやや難治性の疾患を当方の漢方薬でかなり改善中の漢方薬類の補充がてら報告に来られた。
 背中の疼痛は、こちらのアドバイス通り大柴胡湯合茵蔯蒿湯と牛黄を一回服用しただけで諸症状が雲散霧消し、それ以後半月、まったく再発の兆候すらないということだった。(もちろん念のため、しばらくは2方剤を併用しておくようにアドバイス。)

 検査では写らなかった胆石ではあるが、こちらの推測通り、少なくとも急性の胆嚢炎類縁疾患であった可能性大である。

 前置きで書いた息苦しさを訴える女性の場合、当方には初めての来訪であったから、従来からの体質がまったく不明ゆえ、また内科クリニックの診断は誤診の可能性も無きにしも非ずゆえ、慎重を期して総合病院で受診することを奨め、当方からは一切漢方薬を販売しなかった。

 一方、本題の背中の激しい疼痛の女性の場合は数年来のお馴染みさんであり、しばしば通われていたことから、中医学的な体質を既にしっかりと把握していたので、救急外来で診断がつかなくとも、こちらでは応急処置が可能だったのは当然の成り行きである。

 今回も痩せ型で小食の女性ながら大柴胡湯が的確にフィットしている。
 大柴胡湯の効果・効能に記載される筆頭の文句「体力が充実して」が、いかに当てにならないか、中医学的な弁証論治の正確性こそが重要である。

 あえて「充実」という言葉をどうしても使いたいなら、大柴胡湯の使用目標は「体力の充実」なんぞは一切アテにはならず、「心下部や胸脇部の充実」の存在こそが必須条件なのである。

 以上を禅問答と思うなかれ。これほど老婆親切な表現はありません(笑。

2010年7月5日のボクチン(6歳)
2010年7月5日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年7月5日のボクチン(8歳)
2012年7月5日のボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:大柴胡湯 牛黄
【関連する記事】
posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする