2011年6月1日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
前回は朝鮮人参で浮腫(むく)むことがあると書いたが、体内に水分を保持させる作用があるからである。
この水分保持作用は、大いなる利点でもある反面、体質によっては単独で長期使用すれば、浮腫んでしまうことがある。
日本漢方で言う「水毒」があるような体質の人に多い。
このような「水毒」体質であっても、朝鮮人参単独ではなく、滲湿利水の沢瀉や淡滲利湿の茯苓、燥湿健脾の白朮、あるいは袪風除湿の蒼朮などを配合すればよい。
朝鮮人参の内臓機能を賦活する作用という利点だけを発揮させて、単独で使用するときのような弊害は出にくい。
典型的な例が、補気建中湯という癌の末期患者さんの腹水を軽減するのに有利なことが多い方剤である。
内臓の機能低下の極限に近いことからくる腹水であるから、朝鮮人参の内臓賦活作用が必要になるからである。
この場合、他薬の配合が優れているから、朝鮮人参の水分保持作用は、大事な細胞内の水分保持のために働くようで、溜まっては困る腹水などは、速やかに軽減するのである。
といっても、その人その人によって体質と病状が違うのだから、正確な弁証論治によって方剤を決めなければならない。
あくまで補気建中湯がフィットした場合の話である。
いずれにせよ、朝鮮人参単独では使用しないほうが無難だろうということ。
2010年5月29日のボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母
2010年5月29日のボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:補気建中湯