2014年05月30日

時代劇で結核患者に「朝鮮人参」を服用させるシーンをよく見かけるが・・・

2012年5月29日のボクちん(8歳)
2012年5月29日のボクちん(8歳) posted by (C)ボクチンの母

 漢方界では常識である。

 肺結核は中医学的な分析では、肺陰虚や肺陰虚に肺熱を伴うことが多く、このようなケースに朝鮮人参を単独で使用すると、かえって死期を早めかねない。

 すなわち朝鮮人参がむしろ慢性的な「毒殺」という結果となりかねない。

 新撰組の沖田総司が結核に倒れたとき、浪士たちが朝鮮人参をプレゼントするシーンをNHKドラマでやっていたが、これによって沖田の死期を早めたに違いない。

 時代劇で病人(多くは結核)が出ると、判を押したように「朝鮮人参」の出番となるが、不気味といえばブキミである。

 人参をどうしても使いたいなら、西洋人参(広東人参)だろうが、当時は日本に流通してなかったはずである。

 要するに温性の性質が肺陰虚や肺熱に災いするのである。

 肺陰虚に肺熱を伴うような場合、どうしても朝鮮人参を使用したいなら、他の漢方薬を巧みに配合して、朝鮮人参の温性の性質を相殺することが必須となる。

 だから、中医学に堪能な専門家でなければ、朝鮮人参にはうかつに手を出さない方がよいのである。

 たとえば清熱生津・益気和胃の竹葉石膏湯などは、朝鮮人参を上手に操って巧みな配合方剤となっている。
 石膏・竹葉・人参・麦門冬・半夏・甘草・粳米という七味の配合で傷寒論に記載される方剤である。

 便利な竹葉石膏湯エキス製剤がヒゲジジイの強い奨めを受け入れ、小太郎漢方さんから日本ではじめて製造発売されるようになった。

 現代では熱病の回復期で微熱や気管支炎が続くケースに応用されるが、やや風邪がこじれたときや熱中症など気陰両虚の証候があれば、応用範囲は広い。

 また肺陰虚に肺熱を伴っているときにも、状況によっては的確な効果が得られる。
 肺胃の陰虚に使用される麦門冬湯が基礎になっているので当然である。

トラちゃんはもう直ぐ避妊手術
トラちゃんはもう直ぐ避妊手術 posted by (C)ボクチンの母