2007年04月23日

湿疹のご質問(3月16日のブログ)のその後

御質問者:北陸地方の鍼灸師

 前略 いつもご指導ありがとうございます。
 前回質問させていただいたソケイ部の湿疹ですが、手元にありました十味敗毒湯を使用しましたがあまり効果があらわれませんでした。
 しかし服用しないより服用しているほうがよいようです。
 ただし水虫があるのですがそれは調子がいいみたいです。

 やはり荊防敗毒散のほうがよいのか、それともプラスアルファーが必要なのでしょうか。
 舌は白膩がまえよりつよいみたいです。病症的にには以前とそんなに変わりはありませんが、暖かくなってきたぶんだけ身体の寒さは減ったような感じです。
 ご指導よろしくお願いします。

 ぜんぜん違うのですが、先生の家の鍾乳石でできた灯籠いいですね。
 自分はそういったものを見るのが好きなものですから。


お返事メール:拝復
 やはり本物の荊防敗毒散の方が、十味敗毒湯よりもベターだと思います。前回も述べましたように、個人的な見解ですが、やはり十味敗毒湯というのは何とも中途半端な方剤のようです。
 これまで陰部カンジタに対して奏効することが多く、しばしば使用して来ましたが、昨今ではこの疾患にはインチンコウトウ証の人が増えて、十味敗毒湯で奏効する人が減っているように思います。

 なおさら白膩苔が明らかであれば、枳殻や枳実が配合された荊防敗毒散がより適切で、更に人参まで配合された建林松鶴堂の「太陽」という製剤の方がより適切かもしれません。
 これでも効果が弱い場合は、玉屏風散(イスクラの衛益顆粒など)を加えるなどが必要かもしれません。

 あるいは十味敗毒湯に玉屏風散を合わせてみるという方法でも代用になるかもしれませんが・・・?です。
 五積散でも代用になるかもしれません。

 手元に方剤が多種類ないばあでも、方意が似ている場合は代用出来る場合もあります。
 さしあたりは十味敗毒湯に玉屏風散をプラスしてみるとか、あるいは五積散に変方してみるとかでも間に合うかもしれません。
 気虚もありそうですので、その辺の配慮は湿疹に対して微妙なところで、ビャクジュツやオウギが必要なのかもしれませんね(玉屏風散)。

 ところでご指摘の鍾乳石は2年前だったか、秋芳洞近くの大正洞付近で購入したものです。トラックで別便で運んで設置してもらったものです。
 秋吉台や秋芳洞近辺では、鍾乳石や水晶、瑪瑙、オニックスなどが沢山売られています。
 取り扱いにはデリケートで気を使う人間様と違って、鉱石類を見ているほうが遙かに気が落ち着きます(笑)

 以上、取り急ぎお返事まで。
             頓首
    村田漢方堂薬局 村田恭介拝


折り返し頂いたメール: 早速のご返事ありがとうございました。いつも本当に早くご返答していただいて感激です。
 がんばってやってみます。
 今中医学の勉強を少しずつではありますがやっております。
 しかし、なかなか大変です。なんせ覚えることが膨大で途中で寝てしまうこともしばしばで、朝になるとすっからかんになっています。でも先生のサイトをみていつか自分もこんな風にできたらと思っています。
 先生の都合も顧みず質問をさせていただいておりますが、今後ともよろしくお願いいたします。

ラベル:湿疹
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posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする