いずれのご相談も、常備されている漢方薬類で解決できる問題ばかりだった。
いずれの人も初対面の頃は難治性に近い病気を抱えながらも同時にあらゆる面で虚弱性の度合が強いために風邪を引きやすく、過労によって若くても帯状疱疹に罹患してみたり。しかしながら、合成医薬品はいずれも激しい副作用を経験していて二度と使いたくないという人達ばかりである。
だからあらゆる疾患を漢方薬で治そうとお互いに努力するうち、すぐにはピントの合わなかった最初の頃の苦労が稔って、数年も経つうちに漸く様々な角度から体質傾向をしっかりと把握できるようになる。
そうなるとシメタもので、かなり融通無碍・臨機応変に適切なアドバイスが可能となる。もしもこちらが迷っている時には、みずから解決策(方剤の選択や配合比率など)を提案されるようになるくらいだ(笑)
分析力を必要とする弁証論治は、分類学の方証相対よりもシンドイ作業だから両者を併行して行うに限る。
それでも、初対面の新人さんを一回目から明らかな効果を出すには一苦労である。これが常連さんともなると、体質の裏まで読めるようになっているので、それほど苦労は要らないのである。
だから、労多くして根気の続かない新人さんにばかり時間を割くよりも、常連さんと雑談に花を咲かせながら気楽に過ごす方がどれだけ楽だろうかと、思わす本音を漏らしたくなるのだった。
と、相変わらず減らず口を叩きながらも、比較的得意分野の疼痛関連疾患専門サイトを制作しようかと意気込んでいる。懲りずにHP制作である(笑)
自慢じゃないが、いつも通りに先月も今月も、初回から効果を発揮させることが出来た新人さんが多かったのだが、効果があるとサッサと中断した人もいた。
数種類の配合に対して「どれが効いたか分からない」と不満を漏らした人もいるが、
http://murata-kanpo.ftw.jp/u29173.html ここにあるように、
何種類の漢方薬が必要か?ということを全然理解されようとしないのである。
『中医漢方薬学』では、病気を解決するための漢方薬の組み合わせの法則(配合法則)として、
@病気の直接的な原因となっている「内外の病因」を除去する漢方薬。
A五臓六腑の機能を調整する漢方薬。
B体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬。
という三方面の漢方薬を配合することが鉄則となっています。
一般的な病気では、この三方面の働きを2〜3種類くらいの漢方製剤でまかなえることが多いのですが、成人病や難病では内・外の病因が複雑化しており、五臓六腑の機能失調の状況や、体内を流通する気・血・津液・精の盈虚通滞(量的に過剰か不足か、流通が過剰が停滞かなど)における病理現象が複雑化していることが多いため、3種類以上の漢方製剤が必要となることがあります。もしも、この必要不可欠な配合を無理に節約すると、治せる病気も治せないことになります。
(もしかして、やはり経費的な問題もあるに違いない?!)
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