2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母
折り返し頂いたメール:お返事、ありがとうございます。
時間の限り、村田さまの猫や鳥についての記事も拝読したいと思います。
確かに、村田先生のおっしゃる様に、「証の確定」どころか「試行錯誤の為の推測」さえも難しいのが、言葉を交わせない猫相手の看病です。
母娘三匹まとめて保護致しました猫エイズファミリーの母猫は、保護してから六年目にとうとう重篤な状態になってしまいました。生後間もないファミリーの別な母猫の子がカラスに全滅させられたと聞いたので、私道を徘徊していた生後間もない三姉妹を保護したのでした。
窓越しに様子を見に日参していた母猫は。「数日後に窓を開け中に入れ、また帰って行く」を始め、ほどなく、「窓を閉めそのまま一緒に暮らす」を始めたのでした。
昨年の「2月22日(猫の日)」に逝った末娘が五歳でしたから「ギリギリ頑張った」と言えるのでしょうか? 母猫は、保護時に既に五六歳と言われて居ましたから、少なく見積もっても猫エイズの平均を超える長寿なのかも知れません。
と慰めつつも。この一年より以前は、ホームセンターの安めのFood。様子が悪ければ、獣医さんで抗生剤、ステロイド剤でしたから。持って生まれた丈夫さ、天命、生命力があったのでしょうが「五六年前に今の意識と知識があったならば」という自責自戒の想いを消すには至りません。
「猫の弁証認識の難しさ」について。例えばこの母猫の場合、
「口内炎に苦しむ、顎や頬、耳から脂漏」
ならば、熱性だろうか?と思えば、口渇ではなく、むしろよだれが多い。に始まり、「○○は該当するが、舌苔や便、尿が反対の兆候」ばかりで.検証を定めることが出来ません。
そもそも、人間の数百倍「我慢してしまう」らしく。「痛み」も、触れて嫌がる頃には「人間の激痛」なのでしょう。「近代化学物質対処療法では助からん!」と言いながら。日々、後手後手の対応という無念の状況です。
例えば、三姉妹の真ん中の子は、ここ数日。飲水が過度に増え。はじめ「腎臓系」を案じましたが、にわか勉強で「もしかしたら胃熱か?」と、たまたま間違って入手していた「黄連解毒等湯」を「三日だけ 」と試してみましたところ、二日目に飲水が通常になりました。なので、三日目に中断。
「便が緩く少量を多く排便する」も併発して居たので、「人参湯」に替えてみました。やはり二日目には、「まとまった便」と「相変わらずの少量」が交互の状態になりました。「温性」の「人参湯」にも拘らず、飲水は安定したまま。
「黄連解毒湯」を施した時点で、「胃熱」があったのかどうか? 「あったけれど治まり、人参湯では再発しなかった」のか? 単に、「悪化はまぬがれた」だけなのか? 当の猫から、「投与前と投与後の胃の調子」を問診・聞診が出来ない以上分かり様が無いと思えてしまいます。
などなど、
恐らく、猫エイズの悲しい症状で、多臓器が「皿回し」の様に相次いで不調〜持ち直し〜再発、などの状態が続いているのだろうと思います。
上記の母親は、口内炎が悪化し、Vitamin-Bや、患部へのLicorice-Tincture(甘草エキス)塗布も、銀(ペット用)消毒でもある程度迄しか改善せず。
今迄の知識の「茵陳蒿湯」も決定打にならず。 調べまくって「清熱補血湯」を与えてみ ました。
(煎じ湯の量を飲ませることは困難なので「煎じ薬」を、そのままCoffee-Milで粉末にしています。)
やはり三日目にじわじわ改善され、絶食は三日で済み。自食も上向きになりました。
同時に、やはり「三日勝負」で「十全大補湯」も与えましたが、自食し始めましたので、「補中益気湯」と「人参湯」に切り替えました。「人参湯」は、便秘気味になってきたからでしたが、排便も毎日に戻りましたので、「乾姜」以外は重複なのでしょうから二日で「人参湯」は止め、様子を見ています。
一年前には、上記ファミリーの末娘を亡くしましたが、その当時は、猫用山羊ミルクに方剤を混ぜ、「苦い、不味い」に耐え、亡くなる前日迄、懸命に口を開けてくれていた子でした。
「もっと早く思いついていれば良かった」と自責しましたが、
昨年夏前からは 、#4サイズのカプセルに方剤を詰めて、Salmon-Oilをまぶして口に押し込みます。味は鮭ですし、オイルの御陰で喉に貼付かず。なので、
「猫には無理」と複数の方に言われた「十全大補湯」も難なく飲んでくれています。
などなど、「試行錯誤」と「後悔、自責、自戒」の日々です。
重ねて御礼申し上げさせて頂けますれば、ヒゲジジイ先生のご見識に触れ、今迄の情報に対する愕然とする感覚、さて、これからどうしよう、という混沌とした感覚にも襲われがらも、「ああ、これこそ、守りたい、守るべき命に対して取るべき、より正しい道なのだろう」という武者震いこそが、本当の想いなのだろうと考えます。
では「何が正解か?」は、相変わらず暗中模索ではありましょうが、
巷の情報にすがり着くということの安直さ、逃げの心理が内在しているだろう短絡的な楽観主義とは決別すべきだ、と教えて頂き、深く感謝致しております。
ありがとうございます。
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母
ヒゲジジイによるお返事メール:前回のメールでご指摘の通説、
>「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」
というのはご指摘の通り、真っ赤なウソです。
状況によっては日ごとに配合方剤を変えるべきケースがありますが、三日で勝負とされているのは貴重なご経験であると思います。
但し、これらの頻繁な配合変化を必要とするのは、急性疾患のケースと、慢性疾患であっても亜急性化したり、病状が重篤化している状態のケースに限られるのではないかと思います。
人間様の場合では、難治性疾患であっても病状が固定的な場合の慢性疾患では、臨機応変の配合変化が必要であるとはいえ、同様の配合で10日毎で観察し、10日以内に明らかな効果が出れば、病態の変化がない限りはしばらくは同様の配合で様子をみる必要があります。
確実に言えることは、急性疾患であれ、慢性疾患であれ、漢方薬の効果はそれほどゆっくりではなく、症状が激しい場合は短期間(ご指摘の3日以内)で効果の有無がはっきり出ますし、1日で判明することも珍しくないと思います。
何年来の固定した慢性疾患ですら、その効果の有無はほとんどのケースで10日以内に効果の有無が判定できます。
ともあれ、猫ちゃんたちの忍耐強い闘病の姿を思い出すと、本当に切なくなります。
ご報告頂いたかなり具体的な漢方投与のご経験は、猫ちゃんたち専門漢方薬局の貴重な教訓になるものと思います。
「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」という謬説が世に喧伝されているのは、どうしようもない問題で、最初から1ヶ月分の漢方薬投与や販売が横行している現実は目に余るものがあります。
これが出来るのは、病状が安定期に入り、徹底した体質改善を行うべき段階に達した時点ではじめて可能となるので、頑固な慢性疾患であっても初期には10日前後で反応を確かめながら配合の微調整を繰り返す必要があります。
現実には多種類の難病が合併している人では、多種類の漢方薬類をほとんど日ごとに配合変化することで、数年がかりでようやく長期間の苦痛に満ちた病状が半減するに至っているというケースもありますので、固定観念を持ってはならないと思っています。
長期間の難治性疾患でも日毎の配合変化が必要なケースでは、病人さん自身に習得してもらえるから可能なことであって、物言わぬ猫ちゃんには大変な困難を伴うものと存じます。
貴重なご報告、ありがとうございました。
40年の本業でありながら、人間様だけが専門ゆえ、猫ちゃんの漢方治療の経験があまりに乏しいので、何のアドバイスもできないのが心苦しい次第です。
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母
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