性別 : 男性
年齢 : 60歳〜69歳
簡単なご住所 :関西地方
具体的な御職業 : 自営業
ご意見やご質問をどうぞ : 小生の息子のアトピー性皮膚炎の治療のことです。
年齢2●歳。小学生のとき酷い症状になり、紆余曲折の結果、今お世話になっている漢方医のご努力で完治しました。
その後、時々発生しましたが、一応治まっていました。
この度(2月頃より)再発し、症状は、顔が赤めいて湿疹ができそこから汁がかなりでる、汁は顔だけでなく体全体からも出る、痒みが酷い(顔と体)、体に痛みが走る、皮膚が硬く動物肌の様、などの状態で、会社勤めにも支障をきたしております。
処方されている漢方薬は、(小生門外漢ですので薬の名前のみ記します)オウゴン、オウバク、オウレン、トチモトのカッセキ、トチモトのカンゾウ、キキョウ、キジツ、ケイガイ、サイコ、サイシン、トチモトのジオウ、シャクヤク、ショウキョウ、セッコウ、センキュウ、ソウジュツ、タクシャ、トチモトのトウキ、トチモトのハッカ、ハンゲ、ビャクジュツ、ボウフウ、マオウ、モクツウ、リュウタン、レンギョウ、ダイオウ、硫酸マグネシウムトミタ、シュクシャ、トチモトのブクリュウ、トウニン、ボタンビ、チョレイ、です。
改善の経過が観られず途方にくれております。
小生は、息子の一生のことゆえ自ら勉強しなくてはならないと思っておりますが、何分漢方は奥が深く手ごわい相手と感じメールを差し上げる次第です。
小生は、皮膚の強化のために、セラミド或いはビオチンを塗るか飲む、更に、整腸の為にビオチンを飲み、水分補強(深層水-ミネラルが多く含まれているとの事ゆえ)、でどうにかならないものかと思っています。
最後に、ご多忙とは存じますが宜しくお願いします。
お返事メール:拝復
現在、服用されている方剤は、防風通聖散に一貫堂の荊芥連翹湯と竜胆瀉肝湯を合方してさらに半夏・茯苓・猪苓・桃仁・牡丹皮・縮砂などを加えたような方剤のようです。してみると一貫堂の流派の先生であることが推察されます。
病状の中で気になるのは、滲出液が全身から出ているとのことですが、これがもしもかなり多量に流れ出ているようであれば、体力までかなり消耗しているのではないでしょうか?
風呂の入浴時間が長いなどにより、細菌感染を生じたトビヒになっている可能性が高いと思われます。
このような状況下では、多くの場合、大量の黄耆(オウギ)ととともに抗菌性の強い生薬を配合しなければ、なかなか解決はつかないかもしれません?
次善の策としては、皮膚科で亜鉛華軟膏に抗生物質などを配合してもらって患部に塗布し、対症療法を講じた方が良い場合もあり得ます!
現在、当方でも類似したアトピーの人がおられますが、さいわい近隣ゆえに一週間に一度は必ず通って来られて、素早い対処によってコントロールが可能となり、かなり快方に向かっています。
文面だけから推察しますと、やはり近隣でしばしば通って根気良く面倒を見てもらえる専門家に委ねるべきで、必要に応じて短期間で臨機応変の配合変化を行ってもらえるような綿密でかなり繊細な微調整を繰り返す必要があるように思います。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
村田恭介拝
【編集後記】 もしも流れるほどの滲出液でなければ、しばしば遭遇する茵蔯蒿湯と猪苓湯を主体にした配合でよいのかもしれない?
上記の返信メールの内容のように黄耆が必須と決まっている訳ではない。
あくまで弁証論治を正確に行わない限りは、上記のメール内容だけでは情報があまりに不足しているので、すべて仮定によるお返事に過ぎない!
いずれにしても一定レベル以上の病態を呈しているアトピー性皮膚炎では、かなり綿密な配合変化を臨機応変に行う必要があるので、常時通える範囲内の専門家を選んで根気よく通い詰める必要があると思う。
蛇足ながら、遠方の場合では御本人自身の自覚と冷静な報告および学習意欲がある人のみ可能となっている。
つまり、当方からの綿密なアドバイスのみならず、ご本人の相当な自覚と人まかせにしない客観的および主観的な観察能力を必要とする。
過去のジンクスとしても、人に奨められたり御家族の奨めで来られた重症例では、ご本人の意欲が乏しい場合は数回も続かないことが多い。
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