2014年01月10日

正月の慣れない食事が続いて急性下痢、人参湯を投与されて胃痛が生じた老夫人

2008年4月20日のボクチン3歳
2008年4月20日のボクチン3歳 posted by (C)ボクチンの母

 医院で投与されたツムラの人参湯の問題である。

 正月の慣れない食事で下痢が止まらなくなり、かかりつけの医院でビオフェルミンなどとともに人参湯の投与を受け、服用を続けても下痢は治らないばかりか、舌がヒリヒリしはじめて胃痛まで生じて来たという。

 即刻、人参湯を中止して胃苓湯製剤に切り替えるようにアドバイスしたが、そもそも急性下痢症状に人参湯が適応するケースはあまり見られない。

 かてて加えて問題は、人参湯エキス製剤そのものの配合生薬の問題も大きい。
 日局カンゾウ3.0g、日局ソウジュツ3.0g、日局ニンジン3.0g、カンキョウ3.0g
 という配合内容では、虚証に対応すべき白朮であるべきところが、蒼朮で代用されていることが大きな問題点の一つ。

参考文献:白朮を蒼朮で代用する杜撰

 さらには本来、乾燥した生姜が使用されるべきところが、飴色になるまで蒸して製造された日本独自というか、日本の漢方業界特有の悪習ともいえる飴色になるまで蒸されたカンキョウなるものが使用されている。

参考文献:生姜と乾姜の錯誤

 飴色になるまで蒸されたがために過度な温熱作用が過剰に強まった、中草薬学的には存在することがあってはならない、似非カンキョウ(乾姜)の仕業により、胃痛を誘発してしまったことはほぼ間違いないだろう。

 蛇足ながら、じゃじゃ馬のトラちゃんの下痢は、胃苓湯製剤3日の連用で基本的に治癒した模様(嬉々。

 後日談:上記の女性は、当方の見立て通り、胃苓湯製剤で即治した。

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生後4ヶ月のトラちゃん posted by (C)ボクチンの母

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ときどきボクチンに似た表情をするトラちゃん posted by (C)ボクチンの母 

posted by ヒゲジジイ at 12:45| 山口 ☀| 温め療法や温補薬による弊害 | 更新情報をチェックする