2007年12月15日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母
一年半前、ある難治性疾患で、病院治療では一向に治らず、苦痛が激しいとのことで漢方相談に来られた地元近辺の人だった。
複雑な疾患ながら、初回から著効が得られたものの、一ヵ月後には病状変化を来たしたときも、微調整に疑問を呈するのを強引に配合変化を行って、やはりうまく対処できた。
漢方薬の運用には臨機応変の対処が必要なこと。疾患の性質上、今後も病状変化を来たすだろうから、その時点ですかさず配合変化が必要なことを諄々と説いていたつもりだが、地元の気楽さのせいか、あるいはその人の性格の問題か、ご本人の独断で数種類の配合を一種類だけに省略して、代理のひとばかりを寄越して購入される期間が続いていた。
今年になって、まったく無音となっていたので、あの難病が一種類の基本方剤だけであのまま完全寛解するはずもないのだがと思いつつも、ほとんど忘れかけていた。
ところが数日前の日曜日の休日というのに、突然電話がかかり、最近はまた苦痛でのた打ち回っているとのこと。
ここ一年は、数年前に開業された専門医にかかっていたが、結局は合成薬ではメマイなどの副作用ばかりが目立って、寒い季節に入ってからは病状がますます悪化して来たとのことだった。
ついては、昨年最後に購入した漢方薬が残っていたので、それを飲んでいるが、残り少ないから購入させて欲しいという依頼である。
しかしながら、案の定、いまのところそれを飲んでも一向に効果が見えてないようす。
日曜日に受けた電話ながら、しっかり時間をかけて詳しく病状を聞けば、やはりかなりな病態変化を生じている様子なので、五臓六腑の詳細な寒熱虚実の分析が必要である。
基本方剤だけを飲んでも、ほとんど無駄である。
再度の詳細な弁証論治を10日毎に繰り返さないことには、複雑な病態なので、日曜日の電話相談では、こちらの頭も休憩気味なので、どうしようもない。
地元近辺というのに、もともと熱心に通う熱意が無い人では、こちらがどのように頑張っても、折々の適切な配合を提供するのは不可能である。
それゆえ、大変申し訳ないながら、それまで熱心に通えていた専門医の先生のところに通いつめて欲しいこと。
以上の内容を、時間をかけて諄々と説いて、しっかり納得してもらえたので、ほっと一安心。
要するに、専門医の先生のところには熱心に通えても、地元の漢方薬局には通えないという矛盾した行動規範を墨守される人では到底、正確な弁証論治ができるはずもない。
ましてや、まったく相談なしに独自の判断で配合を一つだけに省略してしまうような人では、なおさら不可能なのである。
そういえば火曜日だったか、当方のもっとも不得意とする疾患に合併するアトピーで、そのアトピーだけを漢方薬で治してもらえないかという電話の問い合わせもあった。
アトピーこそ、もっとも頻繁な臨機応変な配合変化を必要とし、相当な忍耐力と精神力が必要であるだけに、とうてい不可能であるから、これも申し訳ないことながら、きっぱりとお断りした。
関連ブログ: 漢方相談お断りの事例集
2007年12月15日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母
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