2007年04月08日

類似した現象が複数重なった数々の出来事

 今年になって例年には見られない目立つ現象が重なっているので、平成19年の時代傾向として参考になるかもしれないのでメモ的に記しておく気になった。

 各種の合成医薬品による副作用問題のご相談や、ニンニク含有健康食品や朝鮮人参あるいはその含有製剤(大建中湯など)の過剰摂取・飲用によって温補過剰となり高血圧や皮膚瘙痒症を生じたため副作用による御相談は例年通りであるが・・・今年になってやや目立つ傾向としては・・・↓

 例年になく吐き気関連の御相談がかなり多いことと、平成の寒涼派漢方の専門家にだけ理解される表現)であるヒゲジジイの薬局では、今年は例年になく温補剤を使用していることが目立っている。

 その他の具体的な現象としては、半夏厚朴湯でストレス症候群に伴う吐き気や食欲不振に繁用する機会が多かったのは、そういう年もあるだろうくらいのものだが、麦門冬湯系列の方剤を用いて吐き気や嘔吐恐怖症に使用する機会が多く、しかも比較的良く効果を発揮している今年は、やはり例年とは異なっている。

 過去にも繰り返す反芻胃(はんすうい)に対して麦門冬湯を主方剤として速効を得て、長期間の連用によって徹底的に根治した例を持っているが、例年になく悩ましい吐き気や乾嘔に使用する機会がやけに目立つ年である。

 最後に、例年にない珍現象として、膠原病関連では温熱剤とともにしばしば加える地竜によってバランスの取れた配合となり、つまり温熱剤とともに寒涼性の地竜によって見事な配合バランスが取れることが例年であったが、今年の新人さんに限っては初期に速効を得て喜んでいたら、1〜2ヵ月後には次第に地竜の清熱作用が勝ちすぎるようになり、途中で地竜を中止したり減量して、温熱薬主体で好転していく例が3例も続いた。

 この現象は、村田漢方堂薬局では珍現象に近いことで、寒熱錯雑証における熱性炎症を巧みに除去する地竜が速効を得た後に短期間で必要がなくなったり減量するケースは、甚だ珍しいことである。

 どうも、今年は例年と様子が異なるようだ。当然のことながら異常気象との関連性を思わざるを得ない。

posted by ヒゲジジイ at 01:02| 山口 | 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする