2013年11月20日
漢方薬による好転反応の考え方、および肝臓がんサポートについての内科医の先生からのおたより
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母
おたより:東海地方の内科医師
漢方薬を処方していますと、村田さんのご指摘にもありましたように、「薬をのんでかえって症状が悪化したが、好転反応か?」と質問を受けることが確かにあります。
個人的経験として、様々な症状が改善してゆくなかで発疹が数日でて、内服を継続なさって発疹が消滅した患者さんはいらっしゃいます。
しかし、明らかに何も症状および病状が改善しないで悪化するような場合はすぐに受診してももらうようにしていますね。
そして、そのようなときは、こちらの観たて違いがほとんどです(苦笑)
。
話題は変わりますが、興味深い症例を経験しました。村田さんにしては珍しくないかもしれませんが、お付き合いください。
6?歳の女性の患者さんです。
20台のころからB型肝炎で経過していて、最近肝がんが発見されて塞栓療法をうけてフォローされているそうです。
実は、ご主人がいろいろな不定愁訴で受診されて、すこしづつよくなってこられたために、一緒に来院なさった感じです。
ご本人は、「私は、自分の身体がどうなってもいいですが、主人の世話をしているので、もうすこし世話ができる様になればいいです。今通っている総合病院の先生からも漢方薬をいただいたことがありますが、粉のくすりは苦手です」とおっしゃっていました。
そこで、なんとか説得して生薬製剤二号方と板藍根を処方しました。
そして、1ヶ月して連絡がありました。
「このまえの2種類のおくすりをください。いつもの病院へ受診して検査してもらったのすが、ウイルスの値が減っていました。ゼフィックスを飲んでいますが、いままでなかったことです。先生も頭を傾げていました」
肝ガンが発生しているということは肝硬変になっていると思われますが、生薬製剤二号方と板藍根に頭が下がりました。
漢方薬恐るべしです。
2007年11月11日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:
好転反応の問題につきましては、当方でもアトピーなどで、お出しした漢方薬が逆効果に感じられた場合は、好転反応などは滅多にないものと心得て、直ぐに弁証論治をやり直して、他の方剤に切り替えてもらっています。
ただ、面白いもので、その時点では逆効果に感じられた同じ方剤が、季節や状況変化によっては再度試してみると、今度はしっかりフィットしたという事例も枚挙に暇がありません。
アトピー性皮膚炎に限らず、様々な慢性疾患における状況変化の推移の奥深さを感じる昨今です。
B型肝炎やC型肝炎由来の肝臓がんなどでは、生薬製剤二号方に含まれる丹参(タンジン)や、板藍根(ばんらんこん)も、確かに中医学においてはしばしば重要な配合生薬として繁用されるものですから、先生の投与された配合はかなり理に適っているものと思われます。
村田漢方堂薬局でも肝臓がんのサポートに漢方薬類を利用されている人が多いのですが、中には最近もB型肝炎由来の肝臓がんのご高齢者が一年間の服用によって完全に消失して主要マーカーも正常になった嬉しい症例に遭遇しています。(⇒2013年11月03日 老体には過重労働となりつつある1週間が終わって激しい腰痛を発症)
板藍根のみならず牛黄製剤など数種類を併用してもらたことが大きなサポートになったものと思います。
ともあれ、日本における医師の漢方診療では、多くの人が旧態依然の偏狭な日本漢方の域から出られない人がいまだに多い昨今、先生のように中医学的発想を取り入れられていることは、まことに奇特で慶賀すべきこと存じます。
貴重なおたより、ありがとうございました。
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 08:25| 山口 ☁| 肝臓癌・肝細胞癌・肝硬変・ステージ4
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