2013年11月14日

病院で投与された小青竜湯で不眠症が重症化した事例

2007年6月22日のボクチン(2歳半)
2007年6月22日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母

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年齢 : 70歳〜79歳 の男性
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 漢方薬の事で教えてください(7?才です)。

 不眠症でツムラ酸棗仁湯エキス顆粒。鼻炎でツムラ小青竜湯を1日3回飲み始めました。
 毎日、朝起きて1〜2時間出続けていた鼻水が3日目でぴったりと止まりました。

 しかし、飲み始めた翌日から、今日まで4日間、急に眠れなくなりました。(入眠障害、中途覚醒)加齢による不眠症で、以前は睡眠時間が4〜5時間が0〜2時間になりました。

 以前確実に効いていた睡眠導入剤のサイレースを飲んでも全く眠れません。今まではあり得ない状況です。

 これは、小青竜湯のせいですか。あるいは飲み合せによる物ですか。教えてください。

2007年6月22日のボクチン(2歳半)
2007年6月22日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 不眠がひどくなった原因は、明らかに小青竜湯が原因です。
 小青竜湯には覚醒作用がある麻黄(まおう)が含まれています。

>毎日、朝起きて1〜2時間出続けていた鼻水が3日目でぴったりと止まりました。

 ということでしたら、1日3回も服用されずに朝だけ1回服用することでも鼻水に対して効果が持続すると思います。

 朝1回だけの服用にしても不眠が元のレベルに戻らないとか、鼻炎に対する効果がなくなるとかであれば、小青竜湯を完全に中止すべきです。

 そして麻黄の含まない処方、たとえば苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)や藿香正気散(かっこうしょうきさん)などに切り替えてを試してみるべきかと思います。

 なお、服用されていた小青竜湯と酸棗仁湯をそれぞれ1日3回服用される場合の問題は、両者に共通して含まれる甘草(かんぞう)が二重になるために、体質によっては血圧の上昇や浮腫をもたらせますので、その点でも要注意です。

 また、もともと高血圧や心臓疾患がある人には、小青竜湯単独でも使用には注意が必要で、多くの場合、たとえ鼻炎に効果があっても、高血圧や心疾患に悪影響をもたらせます。

 蛇足ながらこの甘草の問題は、苓甘姜味辛夏仁湯にも藿香正気散にも通常量が含まれていますが、小青竜湯には他の漢方処方よりも多量の甘草が含まれています。

 要約すれば不眠が悪化した原因は、小青竜湯のみの問題で、酸棗仁湯と飲み合わせの問題ではない、ということです。

 取り急ぎ、お返事まで。

2007年6月22日のボクチン(2歳半)
2007年6月22日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母


ラベル:小青竜湯
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