2013年10月16日

ある種の更年期症状に対する桂枝加芍薬湯の有用性についてのおたより

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人薬剤師

 お久しぶりに、更年期まっただ中で、考えてみたことをお伝えしてみます。

 更年期症状についての考察

 私の側には、やはり同年代の方が集まりやすく、更年期の症状で汗をかいては、お互いに盛り上がることが多いです。
 そんな中で、月経が遅れて3ヶ月ほど到来しないのと同時に、つわりのようなムカムカ症状が現れ、食欲がなく美味しく食べられない。

 友人からは、”妊娠したんじゃないの?”とひやかされるし、思い当たらないわけでもなく、まさかの妊娠不安を味わっている・・・というご相談がけっこうあるんです(苦笑)

 更年期であるかどうかにかかわらず、月経の到来がないと、更年期に似た症状やつわりに似た症状が出てくることがあります。
 その代表的なものが、高プロラクチン血症です。

 プロラクチンは、乳汁を分泌させるホルモンで、妊娠中や出産で分泌されてくるものですが、ストレス等でホルモンバランスが乱れてそうでないときに分泌されることもあり、それによって月経が止ることがあります。

 これを中医学的に考えると、五臓六腑の余血は、衝脉につながっており、これが満たされると溢れ出して月経が始まりますが、月経が止るということは、衝脉の気血津液が満たされていないか、あるいは帯脈の開閉がうまくいかずに、衝脉にたまった気血津液が行き場を失い、衝脉とつながっている胃経に逆上し、吐き気、ムカムカ、食欲不振、げっぷ、腹部膨満感を起こすと考えられます。
 また、胃経は乳房につながっているために、乳汁として分泌されてくると考えられます。

 高プロラクチン血症の漢方薬では、芍薬甘草湯がよく用いられますが、これは甘草のグリチルリチン酸が、ドーパミンレセプターを介してプロラクチンを抑制することや、勺薬が肝陰を補い衝脉血を滋養することに起因すると思われます。

 ただ、更年期の閉経には、経験的に桂枝加芍薬湯の方が同様の症状に効果を上げています。
 桂枝加芍薬湯は、一般的には”しぶり腹”の薬ですが、陰陽の調和作用があり、営衛不和に起因する、突然の不愉快な発汗、そして帯脈の調整作用がある勺薬が働き、腰回りの神経的な違和感(痒み、痛み、ゾワゾワ感)によく効いています。
 白勺薬は、ホルモン系、神経伝達物質の調整に何らかの関わりがあるようです。

 また、突然の突き上げるようなのぼせ、発汗発作には、合谷+太衝の四関穴治療よりも、衝陽+合谷で気を巡らすのがよいようです。
 やはり胃経との関連ですね・・・。

 研究すればするほど、面白いですね・・・こんなに楽しめるのなら、自分の更年期も悪くないかも・・・と思っています(笑)

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 ブログへのご協力、いつもありがとうございます。
 昨今、村田漢方堂薬局ではパソコンをwindows xpからwindows 7へ総入れ替えするのに大忙しです。
 5台入れ替えて、明日にはもう1台入れ替えて、すでに入れたものを加えると7台体勢です。以前は9台体勢でしたが、2台ぶっ壊れてそのままで、入れ替えは合計7台で十分な体勢のようです。

 ところで桂枝加芍薬湯の興味深い運用方法、面白く拝見しました!
 とても参考価値の高い内容で、機会がありましたら追試させて頂きたいと存じます。

 当方で最近、桂枝加芍薬湯を利用しているのは、ご他聞にもれずに過敏性大腸炎や開腹術後の癒着症状に対する緩和目的で、それ以外になるとクローン病の人に、清熱舒筋の方剤と板藍根に、この桂枝加芍薬湯を併用してもらって、一定の効果を得ていますが、やはり腸に関連した疾患への応用に終始しています。

 と、どうも新しいパソコンは、配列が微妙に異なって、まだ思うように入力することが、できません(苦笑。
 いつになく(いつもながら?)お返事を書くのに打ち損じばかりしています。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 23:48| 山口 ☀| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする