2013年10月08日
クローン病は潰瘍性大腸炎と同類の疾患とはいえ
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
クローン病は潰瘍性大腸炎と同類の疾患とはいえ、後者は炎症が大腸に限定されるが、クローン病では大腸から小腸など広い範囲の消化管に炎症が勃発する。
また炎症範囲が後者では粘膜層に留まるが、クローン病では腸管の筋層まで炎症が達する。
このような困難な疾患でも、過去の潰瘍性大腸炎の相談事例で得た多くの寛解例をヒントに、若いご相談者と互いに奮闘努力の甲斐あって、まず微熱が軽減して、CRPもやや低下して体調も少し持ち直している。
ほどほど遠方の人であるので通うのは無理ではないかと心配していたが、昨今では10日毎に通うのを楽しみにされているくらいだから、少しホッとしている。
といっても初期に附子瀉心湯をヒントにした去大黄の清熱剤とともに併用してもらってよく奏効した真武湯が急転直下で謀反を起こし、急遽、桂枝芍薬湯に切り替えてことなきを得たが、附子剤が必要な時でも、多くの場合、延々と使うのは危険で、油断していると激しく熱化をもたらす。
日本の漢方界でも病気の原因は冷えであると短絡的に断じる考えがブームとなっているようだが、これほど危険なことはない。
病気の原因は複雑多変であるから、適材適所で適宜臨機応変にその時点における病機をしっかり把握する必要がある。
たとえ寒証が主体にみえても、附子剤を延々と投与していると、急転直下、激しく熱化する場合もあることを忘れるべきではないし、また熱証が主体にみえても、急転直下、寒証が主体に入れ替わることも珍しくはない。
ともあれ、まだまだ油断ができない状況ではあるが、関東から通って来られた乾癬性関節炎という難治性疾患を過去の豊富な関節リウマチの根治例や寛解例の経験を元に、数年がかりとはいえ、ここ1年くらいはほとんど寛解状態が続くまでに持ち込めている例もあるので、このやっかいなクローン病も同様な結果が得られるよう、互いに奮闘努力しているところである。
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:28| 山口 ☁| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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