2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母
1〜2処方のみによる対症療法の依頼を受けることは比較的少ないのだが、今年はどうしたことか肺がん末期の咳嗽に対する対症療法の依頼や、肺がん転移による脳腫瘍に対する対症療法の依頼や、大腸癌末期の腹水除去の依頼など、中医漢方薬学の本領を発揮する弁証論治にもとずくフル配合が出来ない仕事は実に忸怩たるものがある。
数ヶ月前から本題のC型肝炎が進行して肝硬変による腹水に対する対症療法を依頼され、分消湯エキス製剤のみを服用してもらっているが、かなり軽減して楽にはなられているが、この方剤だけでは対症療法に終わることは目に見えている。
様子を見ながら配合を増やすべきだが、経費的な問題もあって希望されないのだからやむを得ない。
肝硬変や末期がんの腹水の場合、分消湯が適応する場合もあり、補気建中湯で速効が得られる場合もあるが、いずれも奏功しない場合もある。
こられの方剤で奏功しない場合は複数の配合が必要な場合も多いが、たとえ速効が得られても対症療法に終わりやすいので、本来なら徐々に弁証論治にもとづいた根治的に作用する配合をさらに加えるべきことは言うまでもない。
しかしながら対症療法で構わないと言われる場合は、分消湯や補気建中湯による腹水を軽減できただけでも、あるいは肺がん転移による脳腫瘍に対する牛黄製剤のみでも効果を感じられ、あるいは肺癌転移による咳嗽に対する単一方剤による軽減効果に、ご本人達による一定の評価が得られているだけでも良しとせざるを得ない現実がある。
KSC_0832 posted by (C)ボクチンの母
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