2005年10月27日のボクチン1歳 posted by (C)ボクチンの母
年来の気管支拡張症が、当方の漢方薬、八仙丸(1日3回)+麦門冬湯(夜間のみ)の半年以上の連用で、諸症状は治まり、夜間の麦門冬湯が必要なくなって八仙丸だけの持続で基本的に良好に経過しているとの報告がてら六十代の男性が補充購入に来られた。
四方山話からフッと思い出した。しばしば遭遇することだからいまさら書くにも及ばないこととはいえ、この男性にも他山の石として記憶して欲しいと思って次のようなトンでもない事例を話した。
昨年だったか、70歳くらいの女性に、疲れやすく気管支が云々とて八仙丸ともう一つ思い出せないが合計2つの漢方製剤をお渡ししていた。
それっきり来られないので忘れていたところ、その半年後にまた調子が悪いのでもっと効くものが欲しいとの要望。
一度来られたっきりで半年も途絶えていたとは、あの配合ではまったく無効だったのかと問いただすと、しばらくはとても調子良かっので病院でもらったツムラ漢方の同じものを一種類だけ続けていたが、最近調子が悪くなたとノタマフのであった。
そんな筈は無い、八仙丸やもう一つの方剤も保険漢方には採用されて無いものだからと問い糾してようやく判明したことは、八仙丸ならぬツムラの八味地黄丸であった!
あまりに馬鹿バカしいので、ここで八仙丸と八味地黄丸の違いを述べるつもりはないが、せっかく肺腎陰虚を治療する八仙丸が適応している人に、腎の陰陽両虚に適応する八味地黄丸を投与したらどうなるか?
人によっては附子と桂皮によって肺熱を誘発したり、肺陰虚を助長したりする可能性無きにしも非ず!
八仙丸と八味地黄丸が同じものだと偽る医師も医師だが、結局この女性が半年ぶりにやって来た目的は、他にフィットする漢方薬があったら一度だけこちらで購入して、またその医師に同じ内容(偽りであっても)のツムラ漢方を所望することが当然の患者の権利と心得られた現代社会で典型的なお客様は神様根性の見本のような人であった。
ともあれ、このように漢方薬に無知な医師が巷には跳梁跋扈しているので、この男性も漢方には素人の医師に、八仙丸と八味地黄丸が同じものだと偽ってツムラ漢方に切替させるような間違った医師にだまされないように釘を指したところであった。
地元近辺では類似した事例が頻繁にあるので、あまりに数が多過ぎて一々ブログに取り上げるのも馬鹿バカしいが、いやしくも保険漢方といえども漢方薬を扱う巷のお医者さん達は、もっともっと真面目に漢方薬の学習を行うべきだと言いたいのである。
以前もこのブログで取り上げたように、杞菊地黄丸が牛車腎気丸とほとんど同じだからと切りかえさせようとする医師など、枚挙に暇が無いので唖然とするばかりなのである。
2005年10月27日のボクチン1歳 posted by (C)ボクチンの母
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