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八十代男性の常連さんの七十代の奥さんが、五十肩と腰痛で長年患うものの、病院治療を含めてあらゆる薬の服用が苦手である。
それにしても冷え症とともに疼痛が年々増すばかりなので、とうとう奥さんを連れて来られた。
五十肩は歴然とした葛根湯証があるので、自信満々で最も信頼する優秀なメーカーの葛根湯エキス製剤をお渡しし、腰痛には常套手段の疏経活血湯エキス製剤に、ご主人愛用の活絡宝を併用してもらう。
ところが、あにはからんや一向に効果が見られない。面目丸潰れである(苦笑。
寒証が思った以上に強烈であることに気が付いて、独活寄生湯エキス製剤に切りかえ、今度は活絡宝と二種類だけで様子を見てもらうと、腰痛には速効を得たが、五十肩にはまったく無効である。
そこで考えた末、歴然とした葛根湯証に再度こだわり、独活葛根湯製剤を追加して、独活寄生湯エキス製剤と活絡宝の三種類でみてもらうと、今度は五十肩にも速効を得て、ようやく面目を回復したところであった。
なお、冷え症の誘発している原因は、案の定、日頃から冷えたコーラーやアイスクリームを日々楽しんでいることであるが、これを指摘して全面禁止するのもご高齢になっての楽しみを奪うことになるので、ほどほどにするようにアドバイスするに止めている。
これがとてもデリケートなアトピー性皮膚炎の問題だったら全面禁止するところではあるが、そうでもない限りは漢方薬で十分にカバーすることが出来るからである。
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