2013年04月11日
偶然同じ漢方処方で効果に劇的な違いが生じた不定愁訴症候群
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本日は関東地方から、一昨日は四国地方から、先日は甲信越地方や東海地方から、連日のように遠方からの新しい漢方相談者が続く。
いずれも地元の病院漢方でダメで、その後はやはり地元の漢方薬局でも効果がなく、止むを得ず遠路はるばる下関まで来られた人達である。
ところで数年前、近畿地方から来られた不定愁訴症候群により休職して家にこもっていた女性が、地元の漢方専門クリニック?で投与された漢方薬で、一定の効果があるものの極めて不完全で、いつまでも社会復帰できない例があった。
そこで遠路はるばる来られたわけだが、加味逍遥散エキス製剤に浮腫傾向などを考慮して猪苓湯の併用で様子をみてもらうことになった。
ところで、帰宅される寸前になって、医療用の漢方は何を服用されていたのか確かめてみると、同じ加味逍遥散に猪苓湯だったとのこと。
アリリッと思ったものの、例によってその加味逍遥散は白朮であるべきところが蒼朮で代用されているシロモノなので問題外。
また、猪苓湯もどうしたことか、しばしば医療用の猪苓湯では効果が十分に発揮できなかった例にしばしば遭遇しているるので、今回も同じ処方でも各社品質競争の激しい市販される自費の漢方エキス製剤とは効果に大きな違いが出ることが予測された。
ご相談者も当方のブログ類で、メーカー間の品質の違いの問題を理解されて来られていので、偶然同様な配合を提示されても何の疑問も抱かれなかった。
そして結果は、案の定、当方の配合では比較的速効を得て、早々に社会復帰を果たすことが出来たのであった。
このような例を折々に経験するので、天然生薬を原料とする漢方製剤は、各処方ごとにしっかり吟味して採用しないと、これほど問題が大きいことを心得ておくべきである。
あるメーカーの外交さんは、それはヒゲジジイの気合による効果に違いありませんよっ、と揶揄とも皮肉とも取れる冗談を言われていたが、もしかしてそんなこともあるのかも(呵々。
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posted by ヒゲジジイ at 22:45| 山口 ☁| 補中益気湯や六君子湯中の白朮を蒼朮で代用する錯誤問題
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