2007年02月19日

薬学部卒業後に漢方を専門に学ぶには?

性別: 女性
年齢: 20歳〜29歳
簡単な御住所 : 四国地方
具体的な御職業 : 薬学生
ご意見やご質問をどうぞ: お忙しいのに、お時間を取らせてしまってすみません。
 私は、現在薬学部3年生なのですが、漢方に興味があり、卒業後の進路の一つとして、漢方を専門的に学びたいと考えているのですが、そのような道に進むにはどうすればよいのか、分からなくて、助言をいただきたくて今回メールをさせていただきました。
 突然のメール、すみません。もし、御返事をいただけると幸せです。

ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 漢方専門薬局で薬剤師募集があれば、そこに勤務されるのが一番早道のように思われます。仕事が即実践につながるぶん、薬局店頭での実践を繰り返しながら、毎日沢山の専門書を読む日々が続くことでしょうから、一番知識と実践力がつくように思います。
 保険のきかない自費の漢方専門薬局では、効果がなければ誰も来てくれなくなるはずですから、否応無しに勉強せざるを得ない状況に追い込まれます。

 あるいは、ある程度無謀を承知で自営の漢方専門薬局を開いて、漢方の勉強をしながら薬局経営を行うのも、必死で勉強せざるを得ないので知識と実践力が早くつくことでしょう。

 後者の方をやってしまったのが今お返事を書いているヒゲジジイのやり方でした。また、どの本を読んだらよいのだろうか、という御質問もシバシバ受けますが、初学者の時には、これはと思う本はすべて買い込んで、沢山の本を嫌になるほど読み込むことだと思います。
 但し、重要なことは学ぶ流派のことですが、日本漢方を学ぶと直ぐに漢方が使えるようになる反面、論理性に乏しく、医学薬学体系をなしておらず、中医学に比べれば余りにも没理論に過ぎますので、日本流の方証相対論やエビデンス漢方の道に踏み込むと、東洋医学的な論理に基づいた思考能力を養うことは出来ません。
 一方、陰陽五行学説を基礎として発展した中医学世界の方が、遙かに論理性に富んでいますので、最初はとっつきにくくとも、将来、必ずや論理的思考能力が養えて、自身による創造性を大いに発揮できる世界です。

http://www.cyuikanpo.com/cyuikan.html

 話が逸れましたが、やっぱり漢方専門薬局に就職されるのが一番だと思います。
 もしもヒゲジジイのように人に使われるのが大嫌いな人間は、早く自分の漢方専門薬局を持つことです。効果のある漢方薬を適切に販売できる能力がなければ、メシを食っていけなくなるので、必死で我武者羅に勉強せざるを得ないので、早く上達し、知識も増すことでしょう(笑)

以上、取り急ぎお返事まで。
                       頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。

 漢方薬を専門に扱っていらっしゃる現場の意見を聞けて、とても参考になりました。
 学校の授業では教えてもらえないようなことも分かり、勇気を出してメールをして良かったなと思っています。
 改めてこれからも勉学に励み、将来の進路を切り開いていきたいと思いました。

 お忙しいのにお時間を取らせてしまってすみませんでした、そしてありがとうございました。
ラベル:漢方専門薬局
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posted by ヒゲジジイ at 00:08| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする