2007年02月14日

アトピー性皮膚炎と慢性疲労症候群

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 近畿地方
お問い合わせ内容 : 村田漢方堂薬局 村田恭介先生 はじめまして。◎◎在住の●●と申します。
 ここ7〜8年ほど慢性疲労症候群(CFS)の症状とアトピー(幼少期から有り)で悩んでおります。主な症状は、1日動くと翌日は疲れて寝込んでしまう。疲労感が強くなるとアトピーがひどくなる。という感じです。疲労は、肩や首の凝りをともなっていて、凝りのひどい部位にアトピーの症状も強く出ています。集中力低下、思考力低下の症状もあります。1年前より、先生のブログを拝読していまして、記事の引用になりますが、
2006年03月22日 辛い症状に悩む大学生の方からの御相談
上の方の症状とよく似ているなと、自分自身では思っております。

 5年前に「慢性疲労症候群(第U群)」の確定診断を受け、現在某病院で定期的に診察を受けております(現在精神症状は落ち着いています)。と同時に、発症以来、漢方での治療をと考えて(それまでアトピーにステロイド軟膏という安易な対処をしてきた反省もありました)、身近な漢方薬局、自由診療の漢方クリニック、保険診療の漢方医院、とこれまで通ってきました。
 処方されたものは黄連解毒湯、補中益気湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、六味丸その他です。
 今のところ、漢方医院で柴胡桂枝湯+六君子湯の組み合わせを処方してもらって、以前より動けるようになっている感じはしています。ただ、依然として首周り及び顔のアトピーがしつこく、動けるようになっているとはいえ倦怠感は続き、フルタイムで働くには程遠い体調なので、困っております。

 村田先生がブログで「処方のピント合わせ」のお話しをよくされるので、現在の漢方医院には自分なりに頻繁に通って、その度に処方を工夫してもらってはいるのですが、このところ体調が一進一退でやや行き詰まりを感じている所です。
 医院の患者数が多く、2時間半待って5分ほどの診察なので、聞きたいことが聞けないことも残念に思う点です。是非、村田先生に診て頂きたいと、最近よく考えるようになりました。
 疲労感とアトピー、悩みの割合は半々ずつで、どちらも良くなりたいです。◎◎なので漢方薬局・漢方医院も多く、こちらで根気強く通ってみればと自問自答の毎日でしたが、このところ、診て頂きたい、そして継続して治療を受けてみたいとの気持ちが日増しに高まって、ついにメールを送らせて頂いた次第です。

 お忙しいかと存じますが、もしよろしければ3月上旬、あるいは中旬くらいに、下関に伺ってみたいと思っているのですが、いかがなものでしょうか。ご返信のほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 ご指摘のブログの人は、直接下関に来られ、アトピーの方はかなり即効的に回復しました。
   アトピー性皮膚炎患者に川芎と当帰の過剰投与によって悪化
 このような間違った漢方投与が行われていた関係で、即それらを中止してもらって当方のオリジナル体質改善三点セットで順調に回復し(追記:下関にいる間に顔面の紅潮がほぼ完全に消失!)、もちろん短期間ですから根治とは言えないのですが四ヶ月くらいで緩解してしまいました。
 慢性疲労のほうも同時に初期には順調だったのですが、大学生でもあり、実験そのほかの疲労と人間関係等の精神疲労から、漢方処方をもっと補強する必要があったのですが、残念ながら自費の漢方薬による経費的な問題から、慢性疲労症候群に関しては、漢方は使用しないけれども、ある有名な医療組織(追記:某大学病院の特定の科)を御紹介しました。

 貴方の場合も、当方の体質改善三点セットが噛み合うタイプであれば、アトピー性皮膚炎と同時に慢性疲労症候群にも一定レベルの効果が得られるかもしれません。但し、体質上の問題は、とても微妙ですので、当然のことながら直接お会いしないことにはもちろん現段階では?です。

 ところで、関東や関西から直接来られる人は相変わらずポツポツ続いていますが、それぞれ人によって当方の漢方に賭ける意欲と意識に違いがあり、運悪くピントが直ぐ直ぐ微妙なところで難航するような場合、たとえ難航してもこちらではかなり綿密な分析を行って、次第に範囲を狭める努力を怠らず、遅かれ早かれピントが合ってくるのは経験上かなり自信をもっているつもりですが、数ヶ月でアッサリ諦められる方も僅かながらおられます。

 御相談に乗るからには8割以上の緩解まで頑張ってほしいと思うのですが、ピントが漸く合ったと思って互いに喜んでいるところで、突然音信が途切れることもあります。(処方は大公開していますので、他所で手に入れている可能性も高いのですが・・・)

 多くの人は一回目から、まだ足らない処方があるにせよ、中心的な方剤は決まってしまうものですが、一部の少数の人には、直ぐ直ぐにピントがあうとは限りません。
 そのように一部の運の悪い方(あるいは当方の腕が直ぐ直ぐに到達しない場合)では10日毎の詳細な報告と連絡が継続してピントがシッカリ合うまで頑張れるかどうか、要は服用者の根気と努力の問題も絡んできて、それが十分に行えない人もあります。(もちろん既にしっかりピントが合っている人にはその必要はありません!)

 ありきたりな慢性疾患のように見えても、時に思いがけず中医学的な五臓六腑のヒズミ具合の詳細を、直ぐ直ぐには把握しきれないほど様々な要因が輻輳していることがあります。このため、しっかりとピントがあうまでには相当難航することは10人に1人くらいは必ず遭遇しています。

 ですから貴方が10人中の9人に入るか、一人に入るかは不明ですので、遠方であるだけにどうぞ、どうぞと言う気にはなれません。

 今日も長年の間、病院に何軒行っても症状のみならず検査上にも異常値が出ているにもかかわらず、診断がまったくアヤフヤでステロイド治療の限界を感じて漢方薬を求めてこられた医療関係者がおられました。
 当方では医療関係者が来られるケースも多いのですが、必要最小限の漢方薬をお出ししつつも、あきらかに膠原病が疑われるので信頼のおける専門医をご紹介して確実な診断名を貰って来るようにアドバイスしました。
 当方では、このように来られる人御自身、西洋医学や保険漢方では埒が明かなくなって自費の当方の漢方に本気で賭けて来られる訳ですから、真剣勝負の毎日です。

 要するに貴方のやる気次第、ということですが、上述のように常に10人にお一人くらいは直ぐ直ぐにピントが定まるとは限らず、なかでも常時3名くらいは禅の考案のように頭の中で常に気になって考え込むことが多いので、時々逃亡したくなる(笑)ほど、見かけによらず神経質なヒゲジジイです。

 以上、取り急ぎお返事まで。
                    頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


【編集後記】 休み明けのこととて、一日中ほとんど途切れることなく漢方相談が続き、お一人に時間をなるべくたっぷりかける分、薬局を閉めるまでに朝食抜きで昼下がって小型ワンコソバ?を食べただけでぐったり。(もちろん哲学の煙だけは通常通りだが、柳沢大臣に対するマスコミや野党の日本的陰湿なイジメに腹を立てて以来、食欲が落ちている。)このため文章がやや支離滅裂加減のお返事となってしまった。


折り返し頂いたメール:●●です。即日、大変ご丁寧な返信を頂き感激しております。

 おっしゃるように8割の緩解をめざして、村田漢方堂薬局で治療を受けたいと考えております。

 自分のアトピーはけっして重症ではないのですが、悪化と緩解を繰り返しながら20数年続いているものなので、それなりに難治であろうことは覚悟しております。10人のうちの1人に入る可能性も当然あろうかと思いますが、特に漢方治療では先生によって治療効果が大きく変わることを経験し、かなり理解している
つもりなので、それ故、村田先生にお世話になろうと考えた次第です。

・・・・・・・・(中略)・・・・・・・

 もしかしたら、先生を悩ませ疲労困憊させる困った患者になるかもしれないですが、治療を粘り強く続けていく気力はありますので、何卒よろしくお願いいたします。

 勝手な予定なのですが、〇月・・・・・・日あたりで連続2〜3日、薬局へ伺って当面のベターな処方を頂けないかと思っています。そして、▲月初頭までにもう一度伺って、さらに調整して頂ければ、などとを考えております。もし差し支えなければ日程・日時調整その他ご連絡のお電話をさせて頂きたいと思うので
すがいかがでしょうか。お忙しいところ大変恐縮です。

 どうぞ宜しくお願いいたします。


折り返しヒゲジジイのお返事メール: 漢方は、実際のところ、その気でしっかり合わせていけば、たとえ運悪くすぐすぐにピントが合わずとも、諦めずに頑張りぬいた人に関してはほぼ全員、一定レベル以上の成果が出ています。
 過去数十年の間には、中途半端なピントのまま、少しの効果しか得られないので、こちらの方がネをあげかけたこともありましたが、ご相談者の不屈の忍耐と頑張りのお陰で、裏に隠れた重要な糸の縺れの状況がしっかり把握できて、長期の互いの苦労が次第に報われてきたり、あるいは途中から一気に効果が出てきたり、様々な経験をしています。

 運悪く10人のうちの1人に入った人でも、諦めずに頑張りぬいて下さった人こそ、真の漢方の実力と底力を理解され、漢方の価値を真に認めて下さっているようにさえ思えます。
 時には各地で難航した人でも、当方にやってきて意外にシンプルな方剤ですらすらと回復していかれる人もおられますが、そういう人こそ却って病気をあなどり甘く見て、再発率が高いように思えます。

 現在でも、若い人の中には数年以上、慢性疲労症候群や鬱病などと診断されながらも、各種の病院治療で効果がなく、結局は離職してしまった人でも、当方の漢方薬に出会って一定レベルの元気を保持出来るようになり再就職が可能となったものの、漢方薬がいつまでも手放せず、いつ漢方薬をやめることが出来るか不明な人も複数おられます。
 でも、皆さん一様に「漢方薬のお陰で人並みの社会生活が送れるのだからと観念」されておられますが、ピントの合った漢方薬は合成医薬品のような困った副作用もなく、長期続ければ続けるほど体質改善が実現出来ているのが現実です。

 つまり、一定レベル以上の慢性疾患ともなれば、効果が一定レベル得られても、短期間で服用を止めることは出来ず、何年にも亘って、あるいは無期限的に使用せざるを得ない人さえあるということなのです。
 理想通り100%ということは滅多にない事なので、やはり80%が得られれば上出来であるのが慢性疾患の宿命だと思ってます。(すべて100%が可能なら、人は永久に死なないことになることでしょう!)

 以上、余計なことを書いてしまいましたが、要するに現代社会における村田漢方堂薬局の役割(笑)は、西洋医学や保険漢方でも治らずにお困りの人で、真に意欲のある人に対してのみ、保険適応外の優れた漢方薬(医薬品)を用いて補完することにあると思っています。

 なお、下関に来られるのは、そちらのご都合で自由に日時を決められて構いません。お疲れのないよう、余裕を持って来られることを念じています。少なくとも2泊3日の予定で、連続3日間、直接御相談を受けられればさいわいです。
 中には関東から突然やって来て、当方に「宿を探してくれ」などとふざけた野郎(笑)もおられましたが、その方も悩みはアトピー性皮膚炎で、現在比較的順調に緩解しています。

 以上、取り急ぎお返事まで。
                     頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝
posted by ヒゲジジイ at 00:08| 山口 ☁| 慢性疲労症候群(CFS) | 更新情報をチェックする