ピンとはずれの処方の判断ミスでゴメンネとあやまったこと2例 および
1月13日の
猪苓(チョレイ)における補益性の有無について および
1月29日の
猪苓湯を杞菊地黄丸に変えて の続編である。
結論から先に言えば、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)などを既に服用中の上に猪苓湯製剤を追加したところ、利尿作用が効きすぎて中止せざるを得なかった東京の昔のお嬢様のお話。
その猪苓湯製剤が同じこのお嬢様に今回は大活躍したお話である。
先週の金曜日(3日)にニギリ寿司を食した後、激しい吐き下しをして動けず、直ぐには病院にも行けなかったが、病院の診断では腸のウイルス感染であろうとのこと。後で症状を聞けば、口渇が激しく、明らかに五苓散証の典型であったようだ。
下痢は止まったものの、口渇と吐き気が続いて体力を喪失しているので、こちらからも漢方薬を送ることなり、五苓散製剤と藿香正気散(カッコウショウキサン)←分厚い白い苔が顕著ゆえ。さらに板藍茶(板藍根エキス)もお送りして、次第に調子がよいものの一日に2回しか排尿がなく、下腹部も張るとのことだった。
当然、ここで以前中断して保存しておいた猪苓湯製剤の大活躍である。翌日には正常な排尿に戻ったということだから(昨日のこと)、やはりどこの家庭でも置いておくべき猪苓湯製剤や五苓散製剤である(笑)
ところで一昨日、福島県からかかって来たお問合せの電話で、当方のブログを読んでいるとしばしば「常連さん」とあるが、この定義は如何にとの御質問。
当方での常連さんは、年来の頑固な慢性疾患がかなり軽快して後、あるいは併行して大の漢方ファンとなり、急性疾患などアラユル状況に備えて各種の漢方薬を常備している人達である。それらの多くの人は、病院の合成医薬品に弱い!
その常備薬の一端を少し書けば、銀翹散製剤(天津感冒片や涼解楽など)、参蘇飲製剤、葛根湯製剤、インチンコウトウ製剤、黄連解毒湯製剤、猪苓湯製剤、五苓散製剤、胃苓湯製剤、カッコウショウキサン製剤、牛黄製剤、さらには板藍茶、白花蛇舌草、田七人参などである。
これら以外にも体質的な特徴から、小陥胸湯製剤や辛夷清肺湯製剤や大柴胡湯製剤や四逆散製剤を常備している人も多い。
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