経費的な問題と漢方療法の沿線の説明を求められ、女性薬剤師の適切な説明では満足されず、優柔不断な要求に対してヒゲジジイが応対しても沿線の説明だけでバテてしまった。
村田漢方堂薬局の漢方に賭けようという気概の見えない人のお相手ほどシンドイものはない。それだけで既にやわなヒゲジジイの頭が凍ってしまって作動しないから、貴方には当方の漢方は無理ですとお断りしたのだった。
最初から話が脇へそれてしまったが軌道修正して・・・・昨年に続いて今年新に来られたアトピー性皮膚炎の人達の中には、すでに医療用漢方を服用していた人が断然多く、漢方専門医院に通い詰めていた人もあり、中でも黄連解毒湯製剤が出されていたことが目に付いた。
中途半端な改善だったり全然効いてなくて却って悪化している人もおられ、保険医療を諦めて自費を承知でやって来られる訳だが、適量の黄連解毒湯をそのまま利用できるケースも多いので、引き続き黄連解毒湯は病院からもらえるのならそれを使用してもらう。
ところが中医漢方薬学特有の悪く言えば小細工、よく言えば綿密な微調整のために、黄連解毒湯のような氷伏(気血の凝滞)を誘発しやすい清熱瀉火の方剤は、他の適切な方剤とともにバランスよく使用する必要があるので、満量を必要としないことが多い。それゆえ、しばしば利用できそうな医療用の黄連解毒湯の半分量を指示したり、三分の一量や四分の一量を加えよ、などとかなり繊細で細かい芸当をやって貰わざるを得ない。
顆粒状の粉末だから、なかなか正確にできないことが多いが、やはり1包そのまま使用したらバランスが悪く氷伏が生じやすくなっているので、結局は錠剤が貰えないかということにもなり、黄連解毒湯だけを病院に貰いに行くわけにも行かないので、というより以上に顆粒剤や細粒剤では中医漢方薬学特有の小細工、微調整がやや行いにくいのは確かであるようだ。
黄連解毒湯以外でも、保険漢方にはない藿香正気散(カッコウショウキサン)にしても、頑固な湿熱や痰熱を除去する時のバックアップとして辛温性の藿香正気散をシバシバ微量加えるが、これも顆粒状や粉末状のエキス剤では行えないし、ましてや煎じ薬などでは中医漢方薬学を行うことは、到底不可能である。
錠剤の漢方製剤があってくれるお陰で、このような繊細な配合変化が行える利点を知る人は、意外に少ないことだろう。
但し、このような中医漢方薬学特有の繊細な微調整に付いて来れる人は、御自分の病気に対する治療意欲と冷静な判断力のある人でなければならない。
これらの高度なテクニックを駆使できるのも、互いの努力と頑張りがあるから行えるわけで、もちろんきわめて少数ながら途中で諦めて脱落者が出ることもあり得るので、ときに慙愧の念に耐えないこともある。
要するに腕が悪いからこのような小賢しいテクニックをやっていると思われるのは心外であるが、でもやっぱり腕が悪いからこんな小細工が必要なんでしょうかね〜〜〜!?!?!
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