2007年01月19日

薄気味悪いお問合せの電話

オシロイバナの雌蕊と雄蕊
オシロイバナの雌蕊と雄蕊 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日などは、やや高齢の新人さんの御相談に乗っている最中の夕方、健康食品会社を名乗る女性が●●●●●をお飲みになったことがありますか?と中年女性の声で、その●●●●●なるものを勧誘しようとするのである。

 たまたま受け付けの女性薬剤師が店頭で少なくなった漢方製剤の補充を取りにいなくなっていたので、ご相談者に待ってもらってヒゲジジイが応対に出た電話であるから、「健康食品の勧誘を仕事中の薬局にかける人がありますか!?」とやや強く詰ってやると、敵もさるもの「そんな事、私が知るわけないじゃないですかパンチ!!!」と居直るのだから大した度胸だ。

 ところで本日の午前中から、リウマチのお問合せのやや高飛車な物言いの中年過ぎの女性で、「お宅は煎じ薬は1日分いくらですか?」というお問合せである。

 当方では長年の経験から、煎じ薬という剤型にこだわる人に限って、長続きしないのをよく知っているので、「エキス剤の顆粒状のものや錠剤を組み合わせるのが主体です」と受け付けの女性薬剤師がお答えすると、「あっ、そう」でお電話は終わった。

 そもそも、体質も病状も分からない段階で1日分がいくらだなんていえるはずが無いだろう、と思うのだが、実を言えば古方派の時代は、1日分の煎じ薬代が300円の時代や、500円の時代があったが、今思いかえせば、とんでもないことをやっていたものだと反省される。

 リフォームの仕事だって調査後に見積もりを出すのが通り相場なのに、体質も病状も分からないうちから1日分の価格設定をするのには、あまりにも無理があった。だから、一つの病気が治ってくると、腰の薬も序に入れてください、食欲がつく薬も加えてもらえますか、と要求がエスカレートして、採算がまったく合わないことになって、仕事を辞めようかと思ったこともあるくらいだ(笑)。

 といっても、あれがやれたのは単方中心の古方派時代だからやれたことで、中医学理論を導入した中医漢方薬学では、とうてい1日分を固定的に決めることは出来ない。
 
 しかしながら、面白いことに関節リウマチなどは運が良いと(半数くらい)は、月額換算して1万三千円以内で緩解する人が多いのだから、1日分500円よりも安上がりで煎じる苦労もないのだが、先のお電話の女性のように、素直に教えを請うという態度が皆無だから、値段によっては買ってあげるかも知れないよ、という雰囲気で問い合わされたって、それだけで当方は内心「さようなら」と思っていることを知る由もないことだろう。

 ここでようやくタイトルの話に辿り着いた。

 次にかかった電話は関東から若い女性である。

 「一般の人にも小売されるのですか?」ときた!

 「当然ですが、但し一度は直接来られない人には販売できませんよ」と女性薬剤師。

 「やっぱり小売されないんじゃないですか〜〜〜!」
 と、何とも薄気味悪い意味不明な電話はそれで終わったのだった。

オシロイバナの雌蕊と雄蕊
オシロイバナの雌蕊と雄蕊 posted by (C)ヒゲジジイ

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