2007年01月16日

ピタリとピントが合って著効があったからといって根治率が高いとは限らない。なぜか?

 昨日の月曜日は昼下がりまでロクナ日ではなかった。朝っぱらから
関東の薬局で購入した漢方薬と同じものがあれば売っていただけないだろうか?
病気の御本人の代理のお問合せで、しょっぱなから当方の受け付けの女性薬剤師の応対が不遜であると噛み付く中年女性のアリガタ迷惑な説教
このような不遜な女性による思い上がった説教を受ける女性薬剤師は、これだからヤマトナデシコと世界に有名を馳せた日本女性も大昔の話だと憤慨するのも尤もである。

 代理で問い合わせる女性自身の不遜な物言いに、それ相応の返事をしたまでのことで、自分の不遜は棚に上げて、どこのお医者さんも薬剤師さんも、お宅ほど不遜な薬局は初めてだとノタモウのである。

 だからヒゲ薬剤師が電話をかわって、そう言われるのは大変名誉なことで、巧言令色を好む人はお断りの薬局ですから云々と、貴女は剛毅木訥仁にちかしという孔子の言葉を知る由も無いだろうなあ〜〜と言えば#%’&($#%’”!???ということでようやく電話を切ることができた。

 その後も延々と、奇妙な電話ばかりが続いたが、九州からかかった電話は
処方名や成分・含量が記載されてない漢方薬を服用する危険!
 これは危険な話だから、即刻通う薬局を変えるようにアドバイスしておいた。無表示の漢方薬なんて、何を混入されているか疑えばキリがないからである。

 昼下がってようやく実質的な仕事が集中的に始まったが、その出だしが即効をえたアトピーの女性の薬の補充で、以前も報告した10日以内に諸症状が消退した人だけに油断しないか不安であったが、しっかりと真面目に継続服用されているから、安心である。

 ところが夕方の混雑時にやって来られた地元のやや高齢の女性。肩こり頭痛に重度の耳鳴りが、単方(実は独活葛根湯製剤)で即効的に緩解していたのに、早速サボっているから大丈夫かな〜〜と思っていたら、肩こり頭痛は消えたままだが、耳鳴りがまたぞろウルサク鳴り出したと苦情を言う始末だから、服薬をサボるからだよと指摘すれば、だってアンタトコ遠いんだもん、なかなか来れないのよ%&$$%#%’”$%’と聞くに堪えない。

 このように同じ著効を奏しても、その後の服薬状況によってカクノ如し。若い女性は美容にも直結するアトピーだから超美人に変身した状況を維持すべく頑張っておられるが、やや高齢になると人生に投げ遣りになっているとは思いたくないが、言うことなすこと手前味噌に過ぎることが無きにしも非ず。
 僅か一ヵ月分7千円以内の経費を高すぎるとノタモウのであるから、絶句するのみ。いかに運よく単方で速効を得たことがどれほどシアワセなことなのか理解しようともされない。

 一方では先日、本ブログの 副鼻腔炎に合併する滲出性中耳炎 のお返事メールにも少し書いた、繰り返し耳に水液が貯留する女性にアラユル方剤を駆使してもビクとも効果なく、延々と一年近く、ようやく麦門冬湯合六味丸の配合で際立った即効をえて根治した例を記しておいたが、どこに行っても治らない病苦に、頑張りぬいてもらった甲斐があったとはいうものの、当時(20年前頃?)は、小生自身が内心ではギブアップ気味でとうとう五里霧中となっているのに、患者さんのほうが諦める気配もなく、懲りずに通い詰めてくれたお陰で、一から出直して喘息の持病があることと舌象に忠実な弁証論治によって、通常では考えられない配合がズバリ的中したのだった。
 その後も、風邪引き後の副鼻腔炎に辛夷清肺湯、座骨神経痛に疏経活血湯、疲労回復には牛黄製剤というように、難航した病気の人ほど最終的に良い結果が出た場合は、大の漢方ファンになられているのだった。

 もちろんピント合わせに難航してしまった場合、逸早く諦める人もおられれば、しばらくは頑張ってくれる人、こちらがギブアップしそうになっても執拗に喰らいついてくれる人、様々であるが、多かれ少なかれ経費のかかる問題だけに、難航する人達にはいつも申し訳ないと思っている。
 それに引き換え、マンガみたいに速効を得る人の中には、直ぐに中断しては再発を繰り返す人も意外に多いのだから、世の中、なかなかウマクゆくばかりとは限らない。

 漢方の世界では、経験と知識に基づいた知恵が働きさえすれば、難病だからといっても難航することは意外に少ないものである。8割がた緩解するのにやや時間がかかるということはあるが・・・

 たとえば難治性の状態に陥った慢性肺膿瘍で、抗生物質が効かなくなった状態で敗血症の不安をを常に抱える人に、一発で方剤が決まってすらすらと根治に導き、また現在進行形でも慢性骨髄炎で皮膚に漏孔を作って常に分泌物が止まないものを比較的短期間で緩解せしめたり、西洋医学で完全にお手上げとなったものを一発で複雑な方剤の配合を合わせたことは再三再四あるのだから、このような自慢話しはゴマンとある。
 先日も脳内、眼球の直ぐ裏に四年かけて増大した腫瘤を四十日間で完全に消失させて医師を驚かせたことはつい先日のことで、本ブログにも既に書いた通りである。

 これらのことを既成の漢方製剤(医薬品)を巧みに組み合わせる方法は、(配合してしまえば臨機応変に改変することが困難な)煎じ薬よりも却って複雑なテクニックが駆使できるという事実を知る人は少ないだろう。

posted by ヒゲジジイ at 00:31| 山口 | とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする