
IMG_4673 posted by (C)ボクチンの母
昨今、著しく目立つのが、他所の漢方薬局や病院の保険漢方でフィットしないばかりか、不快反応に恐れをなし、やや遠方から下関へやって来られる人達。
病院のツムラ漢方の柴苓湯など様々な方剤が合わずに不快反応に見舞われて、漢方薬恐怖症となりながらも、慢性腎炎でやって来られた人。
クレアチニンもBUNもぎりぎり正常値だから、それほど恐れるには及ばないといっても、タンパク尿や潜血反応が+2〜3であるのに恐れをなしておられる。
そこで補中益気湯製剤でも、生姜と大棗を含まず、朝鮮人参を党参に変更された製剤のみを飲んでもらったところ、直ぐに潜血反応は+−に改善されて、疲労感などの体調も改善している。
泌尿器系疾患で病院に五箇所歴訪しても原因不明で治らず、そこで漢方薬局を2箇所回るも、処方名を秘匿された無表示の漢方薬を調合して投与され、それが一時効果が出たものの、ナゼだか外用薬の併用をすすめられ、それが皮膚病を誘発して激しい掻痒と顔面紅潮を引き起こした。言われるとおりに持続するも症状も再発して皮膚病も悪化の一途を辿る。
そこで当方のところにやって来られた時点では、漢方薬恐怖症となっていた。
不安神経症気味になっている人では、本当に付き合いにくいのだが、それでも叱られながらも素直にしたがって、結局は茵蔯蒿湯、竜胆瀉肝湯、猪苓湯、白花蛇舌草などの併用で、皮膚病は速効を得て、もともとの主訴も、すべてにおいて比較的順調に寛解しつつある。
次も漢方薬局で無表示の粉末で製した1製剤につき1ヶ月分2万円近くの経費というから驚く。
当方の漢方エキス製剤の4〜5倍の価格である。
毎月1回10分足らずの面談やあるいは電話相談だけで販売される千客万来の漢方薬局だという。様々な症状があるのに、一ヵ月分をまとめて、しかも一処方しか投与されないの効果がなくても不思議はないのだが、そこは素人の悲しさ、千客万来の漢方薬局のムードにおされて、効果がまったく出てないにも関わらず、一方的に「効いてるでしょっ!」と強く言われると、ついつい「エエッ」と応えてしまう気の弱さ(苦笑。
無痰の咳に清肺湯の粉末の自家製剤が投与されるなど、不思議な投与が目立つが、10分足らずの相談ではしっかりした弁証論治が出来るはずも無い。
遠路はるばるやって来られたこの人には、当方では1〜2時間もかけて弁証論治を行った結果、ようやく判明したのが意外にも半夏厚朴湯証が主体であり、八仙丸の併用で標本同治を行うことにした。
これで短期間で咳嗽は軽減しつつある。
いずれにせよ、よそ様では弁証論治にほとんど時間をかけず、流れ作業で利益優先の仕事をされるところが目立つ。
これでは効果が無いばかりか、漢方薬の評判を大いに下げる結果となり、同業者としては迷惑千万なことである。

2010年8月28日のボクチン posted by (C)ボクチンの母
ラベル:弁証論治
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