2013年01月17日

昨今はしばしば同業の漢方薬局における誤投与が目立つが、まずはその一例から

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IMGP5893 posted by (C)ボクチンの母

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年齢 : 20歳〜29歳の女性
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : こんばんは。お忙しいところ、失礼いたします。以前から何度かメールで相談させて頂いている◎◎の●●です。いつもありがとうございます。

 勝手ながら、今年もどうぞ宜しくお願い致します。(前回の質問  http://murata-kanpo.seesaa.net/article/299432708.html)(前々回の質問 http://murata-kanpo.seesaa.net/article/250054096.html

 現在、違う薬局(パンダ薬局ではない)に通い始めました。
 そこで、驚いた事に、問診で私は冷やしてはいけない体質だと知りました。顔に新しく出た火照りや皮膚炎は、体内?を冷やし過ぎたせいで、でてしまった余計な?熱と言われました。

 早速、温める漢方薬(白芍、生姜、白朮、茯苓など)を頂き、顔の変な火照りはすぐに治まりました。(布団を顎の辺りまで掛けて寝ても火照らなくなりました。酒さ様皮膚炎はまだあります。)足の浮腫みも酷かったのでそれも改善されました。

 ただ、少しだけ体に出ていた湿疹が一気に酷くなりました。更に温める薬も一週間(桂皮だと思われます。シナモンの香りが強く黄土色の粉末)処方され、今、体の半分は酷い痒みと炎症が広がっています。
 十味敗毒湯の時よりも酷いと思います。

 薬局の先生には「温め過ぎで炎症が酷くなった事はないですか?」と聞きましたが、「必ず良くなるから」と言われています。でも一ヶ月が過ぎようとしています。
 腎を補うために、瓊玉膏も飲んでいます。

 このまま続けていいのかわからなくなってきました。温めなければいけないのはわかりますが、無謀な感じがしてなりません。
 舌の状態も最初の問診では悪くないと言われたのですが、今は真っ白で舌の奥の方が剥がれています。(薬局の先生には良い方向に動いてきていると言われています)私のようなやり方もあるのでしょうか?

 毎回、大変長文、乱文で申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。

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IMGP5894 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
>温める漢方薬(白芍、生姜、白朮、茯苓など)
とありますが、たしかに生姜と白朮はやや温めますが、芍薬は僅かに冷やす作用で、茯苓は温めも冷やしもしないです。要するにこの配合ではそれほど温める作用はありません。
 ところがシナモン(桂皮)は肉桂であり、腎陽を強く温補しますので、フィットしない場合は皮膚病を悪化される場合がしばしば見られます。

 瓊玉膏の成分の地黄は腎陰を補いますが、温性の強い朝鮮人参も配合されているので、この人参がまた皮膚病を悪化される場合があります。
 いずれにせよ、皮膚病が悪化していることのに、
>薬局の先生には良い方向に動いてきていると言われています
 といわれるのは信じられない発言です。

>舌の状態も最初の問診では悪くないと言われたのですが、今は真っ白で舌の奥の方が剥がれています

 という舌の奥の苔が剥がれている状態は、桂皮によって腎陽を温補過剰によって腎陰が損傷されている証拠で、瓊玉膏中の地黄でもカバー出来てないところを見ると、明らかに貴女の体質には桂皮が不適であると言えそうです。

 さら舌が真っ白になっている部分は瓊玉膏中の地黄が貴女の体質に合わない為に脾気を阻滞させてしまい、その結果、非生理的な湿邪である「脾湿」が生じてしまった証拠です!

ともあれ、
>今、体の半分は酷い痒みと炎症が広がっています。十味敗毒湯の時よりも酷いと思います。
という皮膚病の悪化が見られるのに、
>薬局の先生には良い方向に動いてきていると言われています
ということは誤魔化しの以外の何ものでもないと思います。

 通常なら、貴女のように悪化する部分があれば、すかさず配合を変えるのが中医薬学の鉄則です。
 世間でよく言われる好転反応や瞑眩(めんけん)というのは稀で、症状が悪化する場合は、そのほとんどが配合がフィットしてない証拠です。
 貴女の場合、かなり敏感な体質のようですので、7〜10日毎に配合の微調整を繰り返す必要があると思われます。
 とり急ぎ、お返事まで。

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IMGP5895 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール
 早々のお返事ありがとうございます。ショックで言葉になりません。
 実は、精神面でも異常がでているような気がします。
 元々、うつ病とまではいきませんが、軽いうつのような状態が少しありました。 (病院で診断されたわけではありません。)

 この薬局で漢方薬を飲んでから、身体は落ち着きたい(横になりたい・ホッとしたい)のに焦りや身体の中(心?)は興奮状態のような感じがあり、泣きたいのを我慢しているような気持ち悪い感じがあります。
 思いっきり泣くと、少しスッキリするのですが、できればずっと眠っていたい気分です。
(起きている事がつらい)
 焦っている時、不安があると呼吸がつらいです。
 漢方薬でこのような状態になることもあるんでしょうか?

(薬局に相談したら、精神面の薬も一応、貰いましたが、あまり改善していません)
 今は漢方薬局に行ける勇気がない程、落ち込んでいるような気がします。
 度々、失礼しますが、どうぞ宜しくお願い致します。

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IMGP5902 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 瓊玉膏によって脾気をはじめとした全身の気機阻滞を誘発したために、肝気鬱結も顕著となって精神面に影響が出たものと思われます。

 おそらく四逆散(あるいはそれに半夏厚朴湯の併用など)を服用すれば回復すると思われますが、それよりも、そのような精神面まで悪影響を受ける配合は明らかに間違っているので、即刻服用を中止すべきです
 とり急ぎ、お返事まで。

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IMGP5906 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメールお返事のお礼が遅くなり申し訳ありません。 遅い時間まで、どうもありがとうございました。
 また質問なのですが・・・何度も申し訳ありません。

 15日から、漢方薬を一切中止しました。 (正確に言うと13日から恐くて温める薬だけ3回分を1回に減らして飲んでいました。瓊玉膏も2回を1回に。)

 そして・・・
 今日になってから皮膚炎が急に落ち着いてきました。
 湿疹やボコボコしたもの掻き傷は消えませんが、赤み(はれ)と痒みが改善しました。(ストップしたような・・・)
 あれ?もしかして薬が効いていたの?と思うくらい変わった感じがします。

 中止してこんなに変わるものなのですか?
 気分(興奮状態)も少しだけ落ち着いているような・・・。

 桂皮は12月30日〜1月5日、飲んでいたので、これが抜けた?のでしょうか?
 気持ちがスッキリしないので、また教えてください。
 宜しくお願いいたします。

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IMGP5913 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 合わない薬を止めたので、薬が合わないために生じた悪い作用が次第に消えてきただけのことです。

 それだけのことで、シロウトさんでも容易に分かる話です。

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IMGP5950 posted by (C)ボクチンの母

ラベル:誤投与
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